アップルは、デスクトップオペレーティングシステムの最新版「macOS Big Sur(ビッグサー)」をプレビューした。macOS Big Surのデベロッパ向けベータ版は6月23日より、developer.apple.com/jpを通じてApple Developer Programのメンバーに提供される。Macユーザーに対しては7月中にパブリックベータプログラムがbeta.apple.comで提供される。macOS Big Surは今秋、無料のソフトウェア·アップデートとして提供される。
Mac OS Xのリリース以来最大となるデザインのアップグレード
macOS Big Surは、より操作しやすい広がりのある新デザインを採用。ユーザーがコントロールできる選択肢も増えている。ウインドウの角の曲線からカラーパレットやマテリアルに至るまで、情報や性能をより多く提供するための機能も追加される。Dockにあるアイコンは、Macらしさを残しつつも、アップルのエコシステム内のアイコンとより一貫性のあるデザインに変更。ボタンやコントロールは必要な時に表示され、必要のない時には非表示になる。全体を通してよりわかりやすく、新鮮でありながら使い慣れた感覚の体験を提供する。さらに、視覚的な複雑さが低減され、コンテンツが前面かつ中央に表示されるという。
カスタマイズ可能なメニューバーには、新しいコントロールセンターを搭載。デスクトップから各コントロールにすばやくアクセスできる。アップデートされた通知センターでは、よりインタラクティブに通知が表示され、デザインが刷新された様々なサイズのウィジェットによって、ユーザーに重要な情報を一目でわかるように提供する。また、複数のウインドウの整理に便利な新しいデザインが主要なアプリケーションに搭載され、アプリケーションの操作が簡単になるという。
macOS Big Surは、操作しやすい広がりのある新デザインを採用。ユーザーがコントロールできる選択肢も増えている
Safariが高速、プライバシーを優先とするアップデート
ブラウザのSafariは、2003年の最初のリリース以来最大のアップデートとなる。Safariは高速なJavaScriptエンジンにより、MacおよびPC向けのほかのブラウザよりも高速に動作する。また、Safariはよく訪れるWebサイトの読み込みがChromeよりも平均50%高速になるという。タブも刷新される。画面に表示するタブを増やし、開いているタブを簡単に識別できるようにデフォルトでファビコンを表示し、タブの上にマウスを重ねるだけでページのプレビューをすばやく表示できる。
Safariには、ウェブ閲覧時のパーソナライズ機能を強化するための新機能を搭載。新しいスタートページでは、背景画像を追加したり、リーディングリストおよびiCloudタブなどのセクションを追加したりするカスタマイズが可能。また、翻訳機能が組み込まれているので、ワンクリックするだけで、7種類の言語を検知してWebページ全体を翻訳できる。機能拡張のサポートも改善され、ユーザーはさらにSafariでの体験をパーソナライズすることができる。Mac App Storeにはエディターによるスポットライトとトップチャートを含む新しいカテゴリが用意され、Safariの素晴らしい機能拡張を簡単に見つけたり、ダウンロードなどができるという。
Safariの新機能により、ユーザーはホームページ上の背景画像やコンテンツセクションをカスタマイズできる
また、macOS Big Surにはグループメッセージ内で会話を追ったりメンバーとのやり取りが簡単にできるようになる。マップも大幅に新しくなり、世界各地を探索しながら臨場感あふれる体験ができる様々な機能が加わる。
アップルのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、クレイグ・フェデリギ氏は次のようにコメントしている。
macOS Big Surは、UNIXのパワーとMacの使いやすさという定評のある組み合わせをさらに進化させたメジャーアップデートで、過去10年以上で最大のデザイン上のアップデートです。モダンですっきりとした外観をはじめ、Safari、メッセージ、マップなどの主要アプリケーションの大幅な機能強化や新しいプライバシー機能によって、ユーザーにこれまでにない体験をもたらします。すべてのユーザーに愛されるものになると確信しています
macOS Big Surでは、Mac上でミー文字を作成してカスタマイズできるようになった。そのときの気分や自分の個性に合ったミー文字ステッカーで自分を表現できる