キヤノンは、同社のフラッグシップモデル「EOS-1D X Mark III」を基にした有効画素数約2010万画素(総画素数約2140万画素)フルサイズCMOS センサーと新映像エンジン「DIGIC X」を搭載し、高速連写や高速・高精度なAFなどの性能と機動性を兼ね備えた「EOS Rシステム」のフルサイズミラーレスカメラ「EOS R6」を2020年8月下旬に発売する。希望小売価格はオープン、同社オンラインショップでの販売予定価格は本体のみが税別305,000円、レンズキット(ボディ+RF24-105mm F4-7.1 IS STM)が税別345,000円。

EOS R6は、「EOS-1D X Mark III」搭載のセンサーを基にカスタマイズした有効画素数約2010万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載。CMOSセンサーの高速信号読み出しと新映像エンジン「DIGIC X」の高速処理、「RFレンズ」により、高画質と高速連写を両立しているという。

電子シャッター撮影時は、AF/AE追従で最高約20コマ/秒の高速連写を実現。野生動物との対峙やゴルフの試合会場などのシーンにおいてシャッター音を気にせず撮影可能。メカシャッター/電子先幕撮影時は、最高約12コマ/秒の高速連写を実現。CMOSセンサーによるノイズの低減と映像エンジンによるノイズリダクション性能の向上により、静止画撮影時は、最高102400の常用ISO感度を実現している。

人間の視覚特性に基づくHDR PQ方式での静止画/動画記録に対応。RAW現像ソフトウェアで行っていたHEIF(10bit)記録をカメラ内で行える。RAW現像時のオートライティングオプティマイザ機能へ、新たに「顔ライティング補正」が追加され、顔のコントラストが高いときに、自動的に顔の明るさを補正することが可能。また、レンズの収差などを補正する「デジタルレンズオプティマイザ」に「強め」を追加。

新CMOSセンサーの高速信号読み出しと新映像エンジンの高速処理により、「デュアルピクセルCMOS AF II」としてAF性能が向上。「顔+追尾優先AF」設定時の測距エリアは、画面の最大約100%(縦)×最大約100%(横)の範囲へ拡大。さらに静止画撮影時には、AFフレームは、最大1053分割のエリアから自動で選択される。

人物の瞳・顔・頭部検出に対応しており、EOS Rと比較して、より小さな瞳や横顔の検出性能が向上。さらに、動物(犬/猫/鳥)の瞳・顔・全身検出に対応し、被写体の捕捉率を向上させている。

EOSシリーズで初めて、EV-6.5の低輝度合焦限界を達成。肉眼では被写体の視認が難しい暗い環境下でも高精度なピント合わせを実現したという。デュアルピクセルCMOS AF IIとRFレンズの駆動制御の最適化により、最高約0.05秒の高速AFを実現。EOS-1D X Mark IIIに搭載したAFアルゴリズムを採用。シーンに合わせて「被写体追従特性」、「速度変化に対する追従性」があらかじめ初期設定された「Case1~4」と、被写体に合わせて自動で設定が切り替わる「Case A(Auto)」により快適な撮影を実現。

EOSシリーズで初めて、手ブレに連動して撮像素子を動かす補正機構をボディー内に採用。水平回転軸/縦回転軸/回転軸/左右/上下の5軸でのボディー内手ブレ補正を実現。手ブレ補正機構が搭載されていないレンズでも、カメラとレンズの組み合わせに応じて広角から望遠まで快適な撮影が可能。

レンズ側の光学式手ブレ補正機構と、ボディー内の手ブレ補正機構の協調制御により、世界最高8.0段の手ブレ補正を実現。望遠撮影や手持ち撮影といった手ブレの発生しやすい撮影環境でも快適な撮影が可能。動画撮影時には、ボディー内とレンズ内の手ブレ補正機構の協調制御に加え、動画電子ISの併用も可能。

4K60P 4:2:2 10bit Canon Log/PQ記録に対応

クロップ(切り出し)なしのオーバーサンプリングによる4K/60P動画を実現し、画質劣化の原因となるモアレやノイズを低減した繊細な映像表現が可能だという。フルHD/120Pのハイフレームレート動画撮影も可能。4K/フルHD撮影において、デュアルピクセル CMOS AF IIによる滑らかなAFが可能。キヤノン独自のLogガンマ「Canon Log」を搭載している。

SDメモリーカード(UHS-II対応)のデュアルスロットを搭載

スマホなどの携帯端末へのWi-Fi/Bluetoothによる接続に対応。カメラから「image.canon」への画像自動転送機能を搭載。image.canonを経由して、「Google Photos」や「Adobe Creative Cloud」(メンバーシッププラン)へ静止画を自動転送可能。

防じん・防滴構造を採用し、水滴や砂じんのカメラ内部への侵入を抑制。さらに、外装には軽量かつ高剛性のポリカーボネート樹脂を採用し、信頼性と機動性を両立。

約369万ドットの有機ELパネルを採用した視野率約100%の電子ビューファインダー(EVF)を内蔵。表示フレームレートを「119.88fps(なめらかさ優先)」に設定することで、動体の追いかけやすさが向上。

■R5とR6の動画機能比較表
機種名 EOS 5 EOS 6
価格(税別) 460,000円 305,000円
マウント RF
センサーサイズ FF
ダイナミックレンジ 12
ISO感度 100-25600
(H51200)
100-25600
(H204800)
最大解像度 8K RAW 30P / 4K60P 4K60P
記録モード 4:2:2 10bit
フォーマット MP4/MP4(HEVC)
RAW 8K RAW内部収録 ×
HFR 4K120P FHD120P
記録メディア CFexpress/SD SD×2
ND 〇(要M.A)
質量 645g 598g

(左)R5、(右)R6

(左)R5、(右)R6

EOS R5およびEOS R6共通の別売アクセサリーとして、縦位置撮影時の操作性が向上し、バッテリー(LP-E6NH、LP-E6NまたはLP-E6)を2本を装填することで撮影枚数を増やすことが可能なバッテリーグリップ「BG-R10」を2020年7月下旬に発売する。希望小売価格は税別33,000円。