Interop 2026の展示会場内、「Network x Media Summit Pavilion」にパナソニック コネクトが初のブースを構えた。同社は今回がブース出展のみならず、ShowNetへの参画自体も初めてだという。IPライブの旗手「KAIROS」が、ついにネットワークの祭典へと本格的に乗り出してきた格好だ。
遠隔地からの映像をピタリと揃える同期技術
ここで展開されていたKAIROSのデモは、宮城テレビと静岡第一テレビという離れた拠点から送られてくるCGキャラクターを、リアルタイムで同期させるものだ。映像はSRTやRTMPといったプロトコルを使用し、インターネット回線を通じて伝送される。
公衆回線を利用する以上、ネットワークの揺らぎによる遅延のバラつきは避けられない課題だ。実際にCAM2からCAM4までの映像を確認すると、送られてきたままの状態ではわずかなズレが生じているのが分かる。
KAIROSの遅延調整は、極めて強力だ。ここで注目したいのは、その調整幅が最大10秒にまで対応できる点である。これまではデバイス側の制約でバッファーが短く、わずかなズレを合わせるのにも苦労があったが、KAIROSはクラウドの出口において位相を正確に一致させる仕組みを構築している。
CAM5からCAM7を見ると、別々の場所から届いたはずの3体のキャラクターが、まるで同じ場所にいるかのように足並みを揃えて動いている。ネットワーク環境に左右されず、安定したマルチカメラ運用を可能にするこの仕組みは、映像制作の現場において実用的な解決策だ。
EDIUSとの連携がもたらす現場の革新
今回の出展では、単一メーカーの枠に閉じこもらず、他社製品との連携を重視したオープンな体制が構築されているのも印象深い。特に、グラスバレーの編集ソフト「EDIUS」とのクラウド連携は実用性が高い。

例えばサッカー中継において、試合中にクラウドへ記録された素材を即座にEDIUSで編集し、ハーフタイムにはハイライト映像として配信する運用が現実のものとなっている。物理的な制約を排除し、ネットワーク越しにハイライト制作を完結できる点は、これからのライブ制作における標準的な形になると説明する。
クラウドネイティブな中継システムの完成形
クラウド上で収録と編集を同時並行で進める仕組みは、スポーツやイベント中継の現場において強力な武器となる。これまで制作陣を悩ませてきた遅延の問題を克服し、正確な同期とスピード感のある編集を両立させている。KAIROSが発揮するこの機動力は、リモート運用の選択肢を大きく広げるものだ。
放送局が求める高い品質と、クラウドならではの身軽さが、絶妙なバランスで両立している。ITエンジニアと映像クリエイターが同じ土俵で語り合える、次世代の中継スタイルを肌で感じた。Interop初参戦にしてこれほどの実装力を見せつける同社の動きは、これからの映像業界に大きな変化をもたらしそうだ。