パナソニック株式会社の社内分社であるコネクティッドソリューションズ社は、ライブ映像制作のクオリティと生産性を向上させる次世代ライブ映像制作システムとして「IT/IPプラットフォーム“KAIROS(ケイロス)”」を2020年9月に発売する。以前、開発発表をしていたもの。ラインナップと希望小売価格は以下の通り。

  • Kairos Core 100(メインフレーム)「AT-KC100T」税別2,800,000円
  • Kairos Control(コントロールパネル)「AT-KC10C1G」税別2,700,000円
  • Kairos Creator(GUIソフトウェア)「AT-SFC10G」税別250,000円
  • 4Kオプション「AT-SF001G」税別650,000円
  • I/O拡張オプション「AT-SF002G」税別650,000円
  • CANVASオプション「AT-SF003G」税別650,000円
  • NMOSオプション「AT-SFE03G」税別550,000円

KAIROSは、CPUおよびGPUの能力を活用したITベースのプラットフォーム。ハードウェアはCPU/GPUを持つ汎用IT機器を採用することで最先端のIT技術を享受し、GPUを使い自由度の高いライブ映像処理を低遅延で実現する独自のソフトウェア技術を基幹に、オープンソフトウェアアーキテクチャーを採用することで、システムとして高い柔軟性と拡張性を備えている。

さらに、ソフトやハードを問わず急速に進化するITエコシステムの活用を加速するために、“KAIROSアライアンスパートナーズ”を設立。パートナー製品との連携やシステム統合化を推進し、次世代映像制作プラットフォームのデファクトスタンダードとなることを目指しているという。

ITベースの「KAIROS」アーキテクチャーイメージ図

ベースバンド信号(12G/3G/HD-SDI、HDMI、Display Port)、IPパケット(ST 2110、NDI、RTP)の入出力をフルにサポートしており、接続できる入出力数に制限がない。外部ルーターを使用した場合と同様の多入力運用が可能。同時使用数はHD(3G)で32入力/16独立出力、4K(UHD)では8入力/4独立出力(オプション使用時の最大入出力数)。カスタマイズ可能なマルチビューワー出力(Display Port)を2基備え、最大36の映像を表示可能。また、PTP(Precision Time Protocol)同期に対応し、ST 2110ベースのシステムで運用が可能だ。

ME数・KEY数に制約がなく、GPUパワーの許す限りレイヤーを重ね、KEY、スケーリング、ほかエフェクトの適用が可能。カラーマットも装備している。CANVAS機能(オプション)は、16:9の標準画角だけでなく、32:9(ウォールディスプレイ)などの特殊な画角で映像制作が可能。マルチビューワーには特殊な画角の映像もそのまま表示できる。遅延は最短1フレームと、スポーツシーン、ミュージックライブの臨場感を損なわないライブ演出に対応しているという。RAMレコーダー(8ch/非圧縮)とメディアプレーヤー(HD 2ch/圧縮)を備え、システム内で動画ファイルを再生し映像ソースとして使用可能。静止画ファイルにも対応。

直感的で使いやすいGUIのPCソフトウェア「KAIROSクリエーター」は、GUIコントロールパネル表示もでき、省スペース運用に対応。機能拡張や外部機器連携にはアプリケーションソフトウェアの追加で対応可能な設計により、用途とユーザーニーズに応じた無駄のないシステム設計ができるとしている。