Blackmagic Designの発表によると、MR Factoryが6台のURSA Mini Pro 4.6K G2カメラそれぞれにUltimatte 12合成プロセッサーを組み合わせて、同社の4Kバーチャル制作システムのライブアクション部分の制作に使用しているという。

このワークフローでは、スタジオでグリーンバックを使用して撮影されたライブフィードと、OctaneRender、Unreal Engine、Infinityを用いて作成されたCG環境をシームレスにマッチさせている。マドリードに拠点を置く同社は、HBO、テレビシオン・エスパニョーラ、フォルクスワーゲン、WPPグループ、Tornasol Filmsなどを顧客に抱えている。創始者のオスカル・M・オラルテ氏は次のようにコメントしている。

このシステムのおかげで、毎日リアルタイムで10分以上の4Kコンテンツを作成、キャプチャー、合成できています。つまり、俳優を撮影中に、リアルなCG環境に合成できます。

合成は、Ultimatte 12を使用してリアルタイムで行なっているため、ディレクターと撮影監督が制作中にエフェクトをチェックし、必要に応じて修正できます。これにより、時間と制作費を削減できます。特にポストプロダクションですね。

プロ仕様のデジタルフィルムカメラであるURSA Mini Pro 4.6K G2を使用することで、撮影監督は従来型のライブアクション撮影で使用されるのと同じカメラで撮影が行えた。新型コロナウイルス感染症による都市封鎖の期間を通して、同社は多数の制作を安全に継続することができたとオラルテ氏は語る。

今年の始め、イギリスのテレビCMの制作が予定されていて、イギリス人のディレクターとスタッフを呼び寄せる予定でした。しかし、ロックダウンが施行されたため、作業方法の見直しが必要となりました。そこで、CMの制作全体を通して、ディレクターが遠隔から制作に参加できるシステムを開発しました。

同社は、バーチャルセットの制作にカメラトラッキングを使用している。これにより、スタジオの全カメラとレンズの動きを正確にキャプチャーできる。スタジオで撮影された4Kのフォアグラウンド信号はUltimatte 12に送信され、リアルタイムでバックグラウンドのCG環境と合成される。

各カメラにUltimatte 12を接続することで、複数のアングルをワンテイクで撮影でき、スピルの心配をする必要はありません。30年間、この業界で働いていますが、Ultimatte 12のキーイングは最も優れていると言っても過言ではないですね。

フォアグラウンド、バックグラウンド、ガベージマットを含む、最終的な合成の全レイヤーは、複数のHyperDeck Studio 12G放送デッキで収録され、その後、タイムコードで同期される。また、Smart Videohub 12G 40×40ルーターが信号の管理を行い、リアルタイムで映像をチェックできるように、スタジオ内に設置したモニターにライブビデオを送信している。この方法で制作された4Kシーケンスは、その後、DaVinci Resolve Studioに取り込まれ、編集、グレーディング、デリバリーが行われる。

高度なバーチャル制作技術を使用した制作は、今後ますます増えていくでしょう。リアルな3DとBlackmagic Designのスタジオ制作用の製品を組み合わせることにより、今後も弊社はこの分野で活躍できると確信しています。