アップルは、自社製チップM1を搭載した新しい「MacBook Air」、「13インチMacBook Pro」「Mac mini」を発表した。Apple Store Appでの注文は受付開始しており、来週以降より一部のApple Storeとアップル製品取扱店での販売を開始する。希望小売価格は以下の通り。

  • MacBook Air:税別104,800円より
  • 13インチMacBook Pro:税別134,800円より
  • Mac mini:税別72,800円より

M1は、アップルが設計した初のMacのために設計されたチップ。アップルがこれまで作った中でも最も高性能なチップで、Macの体験を大きく変えるとしている。ワット当たりの性能とmacOS Big Surが一緒になることで、M1は最大3.5倍高速なCPU、最大6倍高速なGPU、最大15倍高速な機械学習(ML)機能、これまでよりも最大2倍長いバッテリー駆動時間をもたらすとしている。

アップルのCEO ティム·クック氏は次のようにコメントしている。

アップルの画期的なM1チップを搭載した3つの新しいMacを発表しました。これは、何年もかけて作り出した大胆な変革です。Macにとってもアップルにとっても、まさに歴史的な日となりました。M1は、これまでに私たちが作った中で最もパワフルなチップです。これにBig Surを組み合わせることで、驚異的な性能、並外れたバッテリー駆動時間、これまで以上に多くのソフトウェアとアプリケーションへのアクセスを提供します。この新世代のMacをみなさんに体験してもらうのを待ちきれません。ユーザーのみなさんがこれからも世界を変えていくために、このMacが役に立つと確信しています。

■薄型軽量のMacBook Air

M1チップを搭載したMacBook Airは8コアCPUを特徴とし、一世代前より最大3.5倍速いパフォーマンスを発揮。最大8コアのGPUを持つことで、グラフィックスは最大5倍の速さになるという。

M1の電力効率により、MacBook Airはファンレス設計を実現。ユーザーはどんな作業をしても完全に音がしないという。また、長時間のバッテリー駆動時間が可能で、ワイヤレスネットインターネットは最大15時間、ビデオ再生は最大18時間という性能を実現するとしている。

(以下、プレスリリースより引用)

M1を搭載したMacBook Airで可能になること(一世代前のモデルとの比較)
  • 最大3倍の速さでiMovieを使ってウェブ用にプロジェクトを書き出す。
  • 最大5倍の速さでFinal Cut Proのビデオに3Dエフェクトを組み込む。
  • Final Cut Proでフレームレートを低下させずに、複数のフル品質の4K ProResビデオストリームの再生と編集を行う。これは、MacBook Airでは初めてのことです。
  • Final Cut Proのスマート適合のような機械学習ベースの機能を使って、最大4.3倍の速さで賢くクリップの構図を調整する。
  • MacBook Air史上最も長い最大18時間のバッテリー駆動時間で、より多くの映画やテレビ番組を視聴することが可能に。1回の充電でできるFaceTimeなどのビデオ通話の長さを最大2倍に延長。
■プロ仕様の13インチMacBook Pro

13インチMacBook Proは、アップルのプロ向けノートブック。M1チップとBig Surを搭載した13インチMacBook Proは、8コアCPUは、MacBook Proのアクティブ冷却システムと組み合わせることで、一世代前と比べて最大2.8倍の高速化を実現。8コアGPUは最大5倍高速で、グラフィックスを駆使したゲームのデザインや新しい製品を設計する時も、ユーザーはスムーズなグラフィックス性能を体験できるという。

(以下、プレスリリースより引用)

M1を搭載した13インチMacBook Proで可能になること(一世代前のモデルとの比較)
  • Xcodeで最大2.8倍の速さでコードを書く。
  • Final Cut Proで複雑な3Dタイトルを最大5.9倍の速さでレンダリングする。
  • Unity Editorで複雑なゲームシーンを最大3.5倍の速さで思いのままにデザインする。
  • Create MLで最大11倍の速さで機械学習のタスクを実行する。
  • Neural Engineの驚異的な性能を活かして、djay Pro AIで録音からビート、楽器、ボーカルトラックをリアルタイムで分離する。
  • フル品質の8K ProResビデオを、1フレームも落とさずにDaVinci Resolveで再生する。
  • M1チップの革新的なワット当たりの性能を活かして、1回の充電で4倍の量のコードをコンパイルする。
■パフォーマンスと超コンパクトなデザインを両立したMac mini

Mac miniは、アップルのデスクトップコンピュータで、M1チップを搭載することでコンパクトなデザインにパフォーマンスや新機能を搭載。M1が持つ8コアのCPUは、一世代前のものと比べて最大3倍高速で、100万行以上のコードのコンパイルから、大きなマルチトラックの音楽プロジェクトの作成まで、負荷が高い作業を劇的に高速化するという。8コアGPUは、グラフィックス性能が最大6倍と大きく向上しているので、Mac miniで複雑な3Dレンダリングのようなパフォーマンスを駆使する作業をストレスなくこなせるようになるとしている。

(以下、プレスリリースより引用)

M1を搭載したMac miniで可能になること(一世代前のモデルとの比較)
  • Xcodeを使って最大3倍の速さでコードをコンパイルする。
  • Shadow of the Tomb Raiderのようなグラフィックスを駆使するゲームを、最大4倍のフレームレートでプレイする。
  • Final Cut Proで複雑なタイムラインを最大6倍の速さでレンダリングする。
  • Logic Proで最大3倍多くのリアルタイムプラグインを使って、音楽制作を新しいレベルに引き上げる。
  • Pixelmator Proで最大15倍の速さで、魔法のように写真の解像度を上げる。
  • TensorFlowやCreate MLなど、M1チップによって高速化した機械学習フレームワークを活用する。