アドビは、Creative Cloudビデオアプリケーションの最新アップデートをリリースした。新機能には、Premiere Proの「クイック書き出し」、AMD APU向けに最適化されたパフォーマンス、Premiere Rushの言語サポートの拡張などが含まれている。
Premiere Proの「クイック書き出し」は、よく使う書き出し設定にPremiere Proのヘッダーバーから直接アクセスできる機能で、これによりエディターの作業が効率化できる。ソース設定にマッチしたデフォルトの高品質なH.264出力から選択するか、エクスポートファイルのサイズを縮小できるH.264プリセットを短いリストから選択可能。
AMD APU 向けの最適化に伴うメモリ利用の効率化により、4Kシーケンスのレンダリングが最大4倍高速化され、よりスムーズな再生が可能になったという。
Premiere Rushは、内蔵されているロイヤリティフリーのサウンドライブラリの各オーディオトラックのサムネイル表示ができるようになった。トラックが視覚的に識別しやすくなり、ワークフローがシンプルになるという。また、新たにオランダ語、ポーランド語、スウェーデン語、トルコ語、繁体字中国語に対応。これでRushは15の言語に対応し、世界中のストーリーテラーがオンラインビデオを作成して共有できるようになるという。
パブリックベータ(英語)では、モーショングラフィックステンプレートの「メディアの置き換え」や「コンテンツに応じた塗りつぶし」を機能を先行公開した。
新しいメディアの置き換え機能は、従来のテキストやカラーなどに加え、テンプレート内のメディアの入れ替えが可能になるという。これに対応するには、モーショングラフィックステンプレートをオーサリングするAfter Effectsユーザーが、テンプレート内のメディアを入れ替え可能なものとして指定しておく。Premiere Proを使うエディターは、会社のロゴやビデオなど、手持ちのグラフィックをテンプレートにドラッグ&ドロップするだけで即座にカスタマイズできるという。
これにより、同一テンプレートからの複数バージョン作成や複数言語へのローカリゼーションのワークフローが効率化できるとしている。また、ビデオプロジェクト内の要素をテンプレート化するための新しいツールも提供されるという。
After Effectsの「コンテンツに応じた塗りつぶし」は、シーンからオブジェクトを削除する際、照明の変化に対して、より正確に追従するように強化されているという。実行後のクリーンアップの必要性が減り、処理がより高速化されたため、ブランドロゴの透かしなど、ショットから邪魔で不要なビジュアル要素を削除する作業をより迅速におこなえる。また、出力ファイルサイズが大幅に削減され、ハードドライブの容量も節約できるという。