Blackmagic Designは、Micro Converterの新機種となる「Micro Converter 3Gシリーズ」を発売した。ラインナップと希望小売価格は以下の通り。

  • Micro Converter HDMI to SDI 3G:税別5,980円
  • Micro Converter SDI to HDMI 3G:税別5,980円
  • Micro Converter BiDirectional SDI/HDMI 3G:税別7,980円

Blackmagic Micro Converter 3Gシリーズは、小型の放送用ビデオコンバーターで、民生用のHDMIとプロ仕様のSDI機器を接続できる。堅牢かつコンパクトなデザインで。プロ仕様の3G-SDI接続を搭載しており、1080p60までのあらゆるSDおよびHDフォーマットを扱える。Micro ConverterはUSBで給電するため、テレビやラップトップから直接電源が得られる。また、電源アダプターを含まないバージョンの販売も行なっている。将来、新しい規格が制定された場合はアップデートすることが可能だ。

同コンバーターは、様々なタイプの放送、ライブプロダクション、オンセットでの使用に対応。あらゆるコンピューターディスプレイ、テレビ、ビデオプロジェクターをカラーキャリブレーション済みの高品質の放送モニターとして使用可能。また、コンピューターと民生用ビデオカメラのHDMI出力をハイエンドのSDI機器に変換するのに最適なソリューションだとしている。また、SDIを使用することで、HDMIの送信距離を延長可能。

堅牢なメタル製ボディを採用し、各コンバーターは3G-SDIおよびHDMI接続に対応し、耐久性に優れたコネクターを搭載している。Blackmagic Micro Converterは給電用のUSB接続を搭載しており、MacおよびWindows上でConverter Utilityを介して設定が変更できる。USB給電が可能であるため、テレビやラップトップから給電することも可能。電源およびビデオステータス用のLEDも搭載している。Blackmagic Micro ConverterはAC電源に対応しており、海外で使用可能な4種類のアダプターを同梱したバージョンも用意されている。

Blackmagic Micro Converterは、RGBまたはYUVの8-bitおよび10-bitビデオフォーマットを扱うことができ、1080p60までのあらゆるSDまたはHDフォーマットに対応。フィルムレートである1080p24、1080p47.95、1080p48もサポートしている。また、エンベデッドオーディオおよびタイムコードにも完全対応。

ユーティリティソフトウェア「Conveter Utility」では、設定の変更やコンバーターのソフトウェアアップデートが可能。Micro ConverterのUSBコネクターで接続でき、MacおよびWindowsコンピューターの両方で使用可能。コンバーターの名前を変更できるため、どのタスクにどのコンバーターを使用しているか識別できる。双方向コンバーターではカメラ番号も設定できるため、ライブプロダクションスイッチャーからコントロールされていることをコンバーターが認識する。また、3G-SDIビデオ出力はLevel AとLevel Bから選択可能。

Micro Converter SDI to HDMI 3Gモデルは、3D LUTも搭載しており、色精度の高いモニタリングが可能。オンセットのモニタリングで、目的に応じたルック、カラー、ガンマをリアルタイムで適用可能。LUTは3G-SDIループ出力にも適用できるため、コンバーターを3D LUTプロセッサーとして使用できる。3D LUTでは、グレーディングモニターのカラーキャリブレーションも実行できるため、低価格のコンピューターモニターやテレビを使用可能。さらに、DaVinci Resolveプライマリーカラーコレクターも使用できるため、ルックを作成し、カスタム3D LUTとして保存することも可能。

Micro Converter BiDirectional SDI/HDMI 3Gモデルは、カメラコントロールにも対応しており、Blackmagic Pocket Cinema CameraとATEM SDIスイッチャーを使用できる。ATEMスイッチャーは、SDIを介してカメラコントロールを送信し、コンバーターはこれをカメラ用にHDMIに変換する。これを実行するには、SDIをコンバーターの出力からスイッチャーの入力に接続し、さらにスイッチャーのプログラム出力をコンバーターの入力に接続し、次にコンバーターのHDMI入力をPocket Cinema Cameraに接続する。その後、Converter Utilityでカメラ番号を追加すると、カメラのカラーコレクター、タリー、さらにはリモート収録がコントロールが可能となる。逆方向でも機能するため、SDIカメラをATEM MiniのようなHDMIスイッチャーから操作できる。

Micro Converter 3Gシリーズは、Blackmagic Designの新しいカスタムハードウェアを使用しているため、より高度なコンバーターであり、ハイエンドの放送ワークフローに欠かせない技術的な機能をより多く搭載しているという。その一つがHDMIとSDIのタイムコード変換だ。SDとHDビデオフォーマット両方のタイムコードもフルサポートしており、タイムコードに対応しているHDMI機器を使用する場合、SDIに変換し、そのタイムコードを大型の放送システムで使用できる。

Blackmagic Micro Converterは、3G-SDI出力にSDIリクロッキングを内蔵。SDIリクロッキングはSDIビデオを再生成するため、コンバーターが信号をその他の機器に送信する前に、SDIジッターを削減し、SDIアイパターンを改善する。長いケーブルで劣化したSDI信号でも再生成できるため、長距離のケーブルを使用できる。他社のコンバーターは、リクロッキングなどの重要な機能を搭載していないことが多く、放送での使用には信頼性に欠けるという。Blackmagic Micro Converterは、SMPTE 259M、SMPTE 292M、SMPTE 296M、SMPTE 424M、SMPTE 425M Level AおよびLevel B、放送規格に完全準拠している。

Blackmagic Micro Converter 3Gシリーズは、以下のSDIフォーマットをサポート。

525i59.94 NTSC、625i50 PAL、720p50、720p59.94、720p60、1080p23.98、1080p24、1080p25、1080p29.97、1080p30、1080p47.95、1080p48、1080p50、1080p59.94、1080p60、1080PsF25、1080PsF29.97、1080PsF30、1080i50、1080i59.94、1080i60、2Kp23.98 DCI、2Kp24 DCI、2Kp25 DCI、2Kp29.97 DCI、2Kp30 DCI、2Kp47.95 DCI、2Kp48 DCI、2Kp50 DCI、2Kp59.94 DCI、2Kp60 DCI、2KPsF25 DCI、2KPsF29.97 DCI、2KPsF30 DCI。

HDMIビデオフォーマットは以下をサポート。

525i59.94 NTSC、625i50 PAL、720p50、720p59.94、720p60、1080p23.98、1080p24、1080p25、1080p29.97、1080p30、1080p50、1080p59.94、1080p60、1080i50、1080i59.94、1080i60。3G Level AおよびLevel Bにも対応。

Blackmagic Micro Converter 3Gシリーズは、USB-C接続で給電可能で、変換したビデオを送信しているテレビやコンピューターから給電が行える。また、Blackmagic Micro ConverterはAC電源付きのバージョンも用意されている。100~240VのACに対応しており、4種類のACソケットアダプターを同梱しているので世界各地のコンセントに接続して使用可能。

Blackmagic DesignのCEO グラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。

弊社のMicro Converterは非常に好評をいただいており、これらの新機種はBlackmagic OSで起動するカスタムデザインであるため、旧機種と比較してはるかに多くの機能を搭載できました」と語るのは、Blackmagic Design CEO、グラント・ペティ。「これらの新モデルを大変気に入ってもらえると思います。また、今後のソフトウェアアップデートで、さらに多くの機能を追加するのを楽しみにしています!