あらゆるカメラで使用可能なARRI Signature Zoomレンズ
2020年9月23日に発表された、ラージフォーマット・スーパ35を問わずあらゆるカメラで使用できるSignature Zoomレンズ。16-32mm/T2.8、24-75mm/T2.8、45-135mm/T2.8、65-300mm/T2.8の4本のレンズと、65-300mm/Prime 280mm専用の1.7×エクステンダーをラインナップ。
Signature Zoomは、美しいルックだけではなく、光学性能の高さやハウジングの軽量性などにこだわって設計されている。最高品質のコーティングによってもたらされる研ぎ澄まされたフレアや、滑らかなスキントーン、自然な色調、ハイライトの優雅なボケ足など、Signature Primeと同じ温かみのある描写が可能だという。この独特のルックは、光学的な不完全性や収差に頼ったものではなく、洗練された技術の上にかたち作られている。
Signature Zoomシリーズは、4本のレンズとエクステンダーにより、16mmから510mmの焦点距離範囲をカバー。すべてのレンズが、どの焦点距離においてもT2.8という明るい開放絞りを維持できるため、安定した画質と露出での収録が可能。また、Signature Primeと同じ着脱可能なマグネット式リアフィルターホルダーを採用しているため、ネットやフィルターなどを挿入してルックを独自にカスタマイズすることも可能だ。
ハイエンドズームレンズへの投資は決して容易なものではない。ARRIは同製品の開発にあたり、経験と知識を駆使して将来性を担保できるよう設計を行った。Signature Zoomは、ラージフォーマットのみならず、スーパ35フォーマットでの撮影にも適するように設計されているほか、オープン規格であるLPLマウントを採用しているため、メーカやフォーマットを問わず多くのカメラで使用可能。8K解像度とシャドウの深いディテールを描写する能力を持っており、収差の少なさによりHDRやUHDのワークフローでも問題は発生せず、なによりARRIのビルドクォリティとサポート体制が製品の長寿命を保証するとしている。
ARRI Signature Zoomは、映画のみならず、TVシリーズ、CM、MVなど、画に高級感を求めながらもズームレンズの運用効率を求める作品に適しているだろう。軽量なマグネシウム筐体は現場でのセットアップの高速化に、ARRI LDS-2レンズデータシステムは撮影中やポストプロダクションにおける複雑な作業の簡潔化に貢献する。また、特筆すべきクロースフォーカス性能は、撮影の柔軟性を高めるだけではなく、レンズ交換を減らすことによる時間やレンズ費用の節約に繋がる。ラージフォーマットでは被写体と背景が分離した高画質で立体的な映像を、スーパ35フォーマットでは8K解像力と美しいボケ味による没入感のある映像を実現する。
Signature Zoom 45-135mm/T2.8、65-300mm/T2.8、1.7×エクステンダーは2021年第1四半期の、16-32mm/T2.8、24-75mm/T2.8は同年末にリリース予定。