ライカカメラ社は、写真撮影だけでなく動画制作でも優れた性能を発揮する新製品として「ライカSL2-S」を2020年12月17日に発売する。希望小売価格は税別60万円。
さまざまな用途に対応するライカSLシステムのラインアップに新たに加わったライカSL2-Sは、その汎用性をさらに高め、高画素と高速性能の両立を求めるフォトグラファーにとって理想的なフルサイズミラーレスカメラだとしている。
ライカSL2-Sは、新開発の2400万画素の35mmフルサイズ裏面照射型(BSI)CMOSイメージセンサーと、画像処理エンジン「LEICA MAESTRO III」、そして大容量4GBのバッファメモリーを採用しており、初めて9コマ/秒までの連写が実質的に無制限に撮影可能となった。JPEG形式での連続撮影は、使用するメモリーカードに空き容量がある限り無制限に続けることができる。
手ブレに合わせてブレを打ち消す方向に撮像素子を動かすことで、きわめて効率的に手ブレを補正する多軸手ブレ補正機能を搭載。ライカM型のレンズなどの手ブレ補正機能を搭載していないレンズでも補正効果を発揮する。また、このセンサーシフト方式の手ブレ補正技術を活用した「マルチショット」機能も搭載しており、連続撮影した8枚の画像を1枚に合成し、通常の4倍となる9600万画素の画像を生成することも可能だ。ボディ内手ブレ補正機能と、最高ISO感度100000の高感度性能、そして高速オートフォーカスにより、光の状況を問わず常に美しい描写が可能だとしている。
RAW画像の管理や編集のためのソフト「Capture One 21」によるテザー撮影に対応しており、パソコンからライカSL2-Sをリモート操作で撮影することが可能。また、「Adobe Photoshop Lightroom Classic」でもテザー撮影が可能。購入特典としてAdobe Creative Cloudフォトプラン90日体験版を使用できる。
撮像素子以外はライカSL2と同じ機能を備えており、操作性やEyeRes電子ビューファインダーなどはそのまま受け継いでいる。アクセサリーはライカSL2と共用できる。フルメタルのボディは、IP54レベルの防塵・防滴性能を備え、“Made in Germany”のカメラである点も同様だ。
ライカSL2-Sは、フォトグラファーはもとより、ビデオグラファーやシネマトグラファーにも大きな可能性を提供する。動画制作で威力を発揮する機能は、今後もファームウェアへアップデートによって継続的に向上予定。主な機能としては、60fps 4:2:2 10bitの動画をライカ独自のL-logで記録でき、またビューイングLUTによって、コントロールされた映像を確認しながら撮影することも可能。さらに、内部または外部の記録媒体に空き容量がある限り、30分の時間制限なく動画を連続撮影可能。
2021年春頃のファームウェアアップデートにより、HEVCにも対応予定で、HEVCでの最大4K60p 10bit記録が可能となる。これにより、動画を1分のセグメントに分割して記録することができ、データロスを最小限に抑えることが可能。その他にも、波形モニター表示やオートフォローフォーカスなどの機能も今後のファームウェアアップデートで追加予定。
レンズマウントはLマウントを採用。SLレンズ、TLレンズはもちろん、アダプターを使用することでMレンズ、Sレンズ、Rレンズも使用可能。また、Lマウントアライアンス各社が提供する40種類以上のオートフォーカスレンズも使用できる。さらに、映画製作者からの評価が高いライツ社のシネレンズにも対応していくという。