株式会社アスク メディア&エンタープライズ事業部(アスク・エムイー)は、同社が取り扱う映像機器ならびにパートナー企業の最新製品を一同に紹介するオンラインイベント「Hello, New World」を2020年11月27日と12月18日に開催した。

配信スタジオの様子

アスク・エムイーは、100社を越えるアスク取扱いメーカーの中から映像関連市場向けの商材を中心に、国内のシステムインテグレーターとの共同マーケティングにより、多種多様なニーズに合った適切なソリューションを国内のユーザーに提供している。同社は、今春よりイベントマーケティングを見直し、「さらに効果的かつエンターテイメント性の高いオンラインイベントの実現」を目標に、同イベントの企画をスタートさせたという。

TriCaster 2 Elite

配信のワークフロー図(詳細はアスク・エムイーまでお問い合わせください)

同イベントでは、セミナーやトークセッション、事例紹介を通して、映像業界で最先端のリアルタイムCG合成からオンライン動画配信、メディア管理まで、映像をフル活用するための様々なソリューションが動画配信にて紹介された。特筆すべき点としては同社の技術スタッフ、いわゆる「機材屋」が取扱い製品でワークフローの構築とオペレーションを担当し、実際にライブ配信を行っている点だ。開催日程はPart1(11月27日)とPart2(12月18日)の2回に分かれており、PART2の12月18日に配信スタジオにお伺いしたので、その様子をレポートしたい。

リアルタイムVFXシステムRealityを使った制作フロー

配信中の様子

Part2最後のプログラムでは、バーチャル・ライン・スタジオのプロモーション映像の準備工程について紹介する対談形式のトークセッションが行われた。

バーチャル・ライン・スタジオは、映像制作とスタジオ運営を強みとする日活調布撮影所と、CG制作においてVFXアニメやフルCGアニメなど幅広い制作を行っている株式会社デジタル・フロンティア、テレビCM制作において業界をリードするAOI TYO Holdings株式会社が共同で設立。日活調布撮影所の4stを合成専用スタジオに改装し「xR対応スタジオ」として運営している。同イベントの配信もバーチャル・ライン・スタジオの3DCGで構築されたスタジオで行われた。

バーチャル・ライン・スタジオ プロモーション映像

常設のグリーンスタジオとしては日本最大級の広さを誇る同スタジオは、グリーンバックステージとしての箱貸しも行っている。また、リアルタイム合成システムとしてアスクが国内総代理店を務めるZero Density社の「Reality」を採用しており、映画やCM撮影の現場に最新のCG技術を導入できたとしている。

Realityを使用し人物と空間をリアルタイムで合成

RealityはノードベースのリアルタイムCG合成ソフトウェアで、没入感のある”リアル”なCGコンテンツを、リアルタイムにビジュアルエフェクト処理を行いながらレンダリング可能だ。Realityはグラフィック性能で定評のあるゲームエンジンUnreal Engineをベースとしたシステム設計となっている。オンライン上に情報や利用できるアセットが多く、高画質なグラフィックを手軽に利用できることも大きなメリットだ。

また、Realityは様々な撮影のワークフローに対応できるグリーンバックを使ったリアルタイム合成が可能。ライブイベントではリアルタイムに最終の合成まで済ませ、そのままライブ配信に活用したり、オンセットプレビズとして活用して、ポスプロでより高度な仕上げをすることも可能だ。

カメラは固定2台とジブアーム1台の合計3台。すべてのカメラでRealityのソフトウェアを使用している

これまで監督やカメラマン、スタッフはグリーンバックの向こうにどんな画があるのか個々でイメージできても、現場では言葉のみの共有しかできなかったが、同システムを使うと実際に映像を見ながら完成イメージを共有でき、画のクオリティを上げていけるという。

また、stYpe社のカメラトラッキングシステムRedSpyを導入しており、Realityと共に使用することでカメラのトラッキング(レンズ/位置)情報をCG合成に反映でき、そのデータを収録することで撮影後のポスプロで高精度なCG製作が可能になる。また、撮影時に完成形あるいは完成に近い状態で確認できることで、撮影後のVFX/CG工程でのギャップや事故も減る。同スタジオは、撮影現場のあらゆる課題を解決・最適化し、今一番熱い映像分野ともいえるだろう。