ソニーは、昨年より欧米を皮切りに展開している、没入感のある立体的な音場を実現する立体音響技術を活用した音楽体験「360 Reality Audio」の新たな取り組みとして、立体的な音場に映像を組み合わせたビデオコンテンツの配信や、対応楽曲制作ツール「360 Reality Audio Creative Suite」の共同開発、対応機器の拡大、360 Reality Audioに関連する独自技術の他社へのライセンス提供を進めると発表した。
欧米などでは、複数のストリーミングサービスから対応楽曲の配信を開始しており、アリシア・キーズ、リル・ナズ・X、ミーガン・ザ・スタリオン、ノア・サイラス、ザラ・ラーソンの新曲を含む4,000曲以上の対応楽曲が提供されている。今後もソニーは、この音楽体験をクリエイターやアーティスト、音楽ファンに向けて広く提案し、360 Reality Audioのエコシステム形成を加速していくという。同取り組みの詳細は以下の通り。
(以下、プレスリリースより引用)
1.アーティストとリスナーを繋ぐ臨場感あるビデオコンテンツの配信
主要音楽レーベルおよびストリーミングサービス※1と連携し、360 Reality Audioによる立体的な音場と映像を組み合わせた、アーティストによるライブパフォーマンスのビデオコンテンツ配信サービスを年内に開始予定※2です。アーティストとリスナーを繋ぎ、あたかもアーティストと同じ空間にいるような臨場感と没入感を体験できます。
本年1月12日から開催予定のテクノロジーイベント「CES 2021」に合わせ、配信サービス開始に先駆けて、360 Reality Audio初のビデオコンテンツとしてザラ・ラーソンによるパフォーマンスを、1月12日午前7時より楽曲配信アプリ「Artist Connection(アーティストコネクション)」から配信します※3。本コンテンツは日本国内でも視聴体験が可能です。
▶CES 2021 360 Reality Audioビデオコンテンツ配信に関するサイト
スマートフォン(Android/iOS)があれば、全メーカーのヘッドホンと組み合わせて楽しめます。なお、ソニーの推奨ヘッドホン※4とスマートフォン専用アプリ「Sony|Headphones Connect」を使うと、音場を一人一人に最適化した、より没入感のある音楽体験を実現します。
※1欧米などでサービスを開始しているnugs.netにて配信予定です
※2日本国内については、360 Reality Audioの配信サービスの開始後に対応予定
※3配信の視聴には、Google PlayストアもしくはApp Storeから「Artist Connection」アプリのダウンロードが必要です
※4推奨ヘッドホンはこちら(英文のみ)からご確認ください。推奨ヘッドホンを使えば音場の最適化が可能です2.楽曲制作ツール「360 Reality Audio Creative Suite」の共同開発
対応コンテンツ拡大に向けて、360 Reality Audioの制作環境の整備を進めているソニーは、音楽ソフトウェア開発会社Virtual Sonics社と共同で、対応楽曲制作ツール「360 Reality Audio Creative Suite(サンロクマル・リアリティオーディオ・クリエイティブスイート)」を開発しました。
この制作ツールは、プロ向け楽曲制作アプリケーションである様々なDigital Audio Workstation(DAW)のプラグインソフトウェアとして、Virtual Sonics社の子会社 Audio Futures社から今年
1月末より4月に※ダウンロードでの発売を予定しています。クリエイターやアーティストが既存の制作プラットフォームを使って、簡単に360°の球状に広がる空間で音楽を表現することを可能とします。※2021年2月4日改訂
CESにおいて、グラミー賞受賞プロデューサーであるキース・ハリス氏が実際に360 Reality Audio Creative Suiteを使って対応楽曲を制作するシーンやその使用感を語る動画を配信します。
▶CES 2021「360 Reality Audio Creative Suite」に関するサイト
今後、クリエイターが360 Reality Audio Creative Suiteで制作した楽曲を配信する取り組みである「クリエイター・プログラム」をMusic.com(運営会社 米国Inspiration is Everything社)および米国の音楽配信会社The Orchard社と協業して展開する予定です。
当社は、360 Reality Audioの制作環境の整備や協業など、対応コンテンツ拡大に向けた取り組みを加速していきます。詳細は下記のURLよりご確認ください。
▶360 Reality Audioの制作プロセスおよび必要な制作ツールについて
▶360 Reality Audio Creative Suiteに関するVirtual Sonics社へのお問い合わせ※英語のみ
▶Music.comとの協業による「クリエイター・プログラム」について※英語のみ
3.対応機器の拡大とライセンス提供による制作・視聴環境の強化
(1)対応機器の拡大
ソニーは、360 Reality Audioに対応したワイヤレススピーカー「SRS-RA5000」、および「SRS-RA3000」を今春以降発売します。一台のスピーカーで360 Reality Audioの立体的な音場を再現することが可能です。(2)360 Reality Audioに関連した新規技術ライセンスの提供
更なる360 Reality Audioの普及推進のために、以下のライセンスの提供を開始しました。
- 360 Reality Audio対応ヘッドホンで、より臨場感ある音楽体験を実現するために音場を一人ひとりに最適化するソニー独自技術のライセンス
- 360 Reality Audio対応スマートフォン、および車載オーディオで360 Reality Audioを再生するための技術ライセンス