HP12×7.6メイン

富士フイルム株式会社は、8K映像の撮影を実現する放送用ズームレンズ「FUJINON HP12×7.6ERD-S9」(以下:HP12×7.6)を2021年2月より発売する。以前、2020年秋に発売予定としていたもの。価格はオープン。

HP12×7.6は、広角7.6mmから91mmまでの焦点距離を備えたポータブルタイプで、スタジアムなどを広く映した撮影が可能。非球面レンズと蛍石レンズにより、画像の歪みや周辺解像力の低下を徹底的に抑制。撮影距離に応じて複数のレンズ群を制御する「フローティングフォーカス方式」を採用しており、撮影距離の違いによる性能変化を極限まで抑え、近距離から無限遠までシャープな映像を提供するとしている。同社独自の多層コーティング処理「HT-EBC(High Transmittance Electron Beam Coating)」をレンズ表面に施し、光の透過率を向上させたことで、鮮やかな色再現と高いコントラストを実現。

手元でフォーカスの調整を行えるフォーカスデマンド「FUJINON EPD-51A-D02/F02」との組み合わせにより、精緻なフォーカシングが可能。高倍率ズームレンズで採用している光学式防振機構を搭載し、風や足場の揺れによる映像のブレをタイムラグなく的確に補正し、安定した映像撮影を実現。9枚絞り羽根を採用することで、円形に近い絞り形状を実現し、より自然なボケ味を活かした映像表現が可能。

ズームやフォーカスの位置情報などのレンズデータを高分解能で出力できる16bitエンコーダーを標準装備。CG映像とライブ映像を合成するバーチャルスタジオなど、さまざまなシステムと連携可能だ。