キヤノン100mmマクロメイン写真

キヤノンは、「EOS Rシステム」の交換レンズ「RFレンズ」の新製品として、中望遠単焦点レンズ“RF100mm F2.8 L MACRO IS USM”を2021年7月下旬に発売する。希望小売価格はオープン、同社オンラインショップでの販売価格は税込181,500円。

「RFマウント」の特長のひとつであるショートバックフォーカスを生かし、13群17枚のレンズ構成におけるフォーカスレンズ群とフローティングレンズ群の可動域を最大化し、最大撮影倍率1.4倍、最短撮影距離0.26mのマクロ撮影を実現。一般的なマクロレンズの最大撮影倍率である等倍(1.0倍)を超えることで、迫力ある描写や、身の回りの小物や花などの肉眼ではとらえることが難しい細部や質感の表現が可能だという。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2021/04/210414_canon100mmMACRO_01.jpg
撮影倍率の違いによる被写体の大きさ。左から0.5倍、1.0倍、1.4倍
※画像をクリックすると拡大します

球面収差を変化させることができる「SAコントロールリング」を採用。リングを回転するだけで、ユーザーの好みに合わせた自由なボケ描写を実現。最大撮影倍率1.4倍のマクロ撮影と合わせて、多彩な写真表現を気軽に楽しむことを可能としている。

「SAコントロールリング」をマイナス(-)側に回すと、フォーカス位置よりも後方のボケの輪郭が柔らかくなり、手前のボケの輪郭が硬くなる表現が可能。プラス(+)側に回すと、フォーカス位置よりも後方のボケの輪郭が硬くなり、手前のボケの輪郭は柔らかく表現することが可能。-側/+側のどちらに回しても、フォーカス位置にある被写体は、被写体を柔らかい雰囲気で描写できるソフトフォーカス効果を実現可能。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2021/04/210414_canon100mmMACRO_03.jpg
SAコントロールリングを用いた自由なボケ描写(一部を拡大)。左からSAコントロールリング:-端、SAコントロールリング:中心、SAコントロールリング:+端
※画像をクリックすると拡大します

明るい開放F値2.8を実現。低照度下においても速いシャッター速度で撮影でき、被写体ブレを低減した撮影が可能。最前面に凹面レンズを採用することで、至近撮影時の球面収差を抑制。これを含む13群17枚の新規光学設計により、画質劣化の原因となる諸収差を低減し、画面全域で高画質な描写を実現する。その結果、マクロ撮影も含め、定評のある「EF100mm F2.8L マクロ IS USM」(2009年10月発売)と同等の高画質な描写を画面全域で実現。

「EOS R5」(2020年7月発売)装着時は、ボディー内の手ブレ補正機構と協調制御することで、静止画撮影時に8.0段の手ブレ補正効果を実現し、動画撮影時も高い手ブレ補正効果を発揮。ボディー内手ブレ補正機構を搭載していない「EOS R」(2018年10月発売)装着時は、5.0段の手ブレ補正効果を実現。動画撮影時は、カメラの電子式手ブレ補正機能と協調する「コンビネーションIS」により手ブレを低減する。

また、撮影倍率が大きくなるほど影響が大きいシフトブレを高精度に補正する「ハイブリッドIS」を搭載するという。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2021/04/210414_canon100mmMACRO_07.png
※画像をクリックすると拡大します

フォーカスレンズ群とフローティングレンズ群を2つの超音波モーター「ナノUSM」で個別に駆動して最適制御する、電子式フローティングフォーカス制御を採用。近接撮影時の画質向上と最短撮影距離の短縮を実現。「ナノUSM」により、静止画撮影時の高速AFと動画撮影時の滑らかなAFが可能。

また、フォーカス位置により画角変化が生じてしまう「フォーカスブリージング」を低減し、「EF100mm F2.8L マクロ IS USM」と比較して画角変化の少ない安定した構図で撮影することが可能。フォーカス後に構図調整をする手間が少なくなり、撮影の快適性が向上しているという。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2021/04/210414_canon100mmMACRO_09.png

ハイブリッドISを生かした手持ちによるマクロ撮影の作例※画像をクリックすると拡大します