キヤノンは、映像制作機器CINEMA EOS SYSTEMの3モデル「EOS C500 Mark II」「EOS C300Mark III」「EOS C70」の機能向上ファームウエアを2021年7月中旬(EOS C70)、8月中旬(EOS C500 Mark II/EOS C300Mark III)に公開する。同ファームウエアは、発売後ユーザーから要望が多かった機能を中心に盛り込まれている。詳細は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

EOS C500 Mark II / EOS C300 Mark III

映像出力機能の拡充
5.9K RAWもしくは4K記録時、12G-SDI出力に2048×1080、UHD記録時に1920×1080を追加します。また、MON.端子とHDMI端子の同時出力(1920×1080p/i)が可能になります。これにより、各出力系統の活用の幅が広がり、モニタリング時の利便性を向上します。


LOOKファイル機能追加
EOS C70に標準搭載されているLOOKファイル機能をEOS C500 Mark II、EOS C300 Mark IIIにも搭載します。LOOKファイルとは、ビューイングLUTとは異なり.cube形式の3D LUTファイルをカスタムピクチャーに登録しLUTが適用された映像を内部記録できる機能です。これにより、ポストのカラーグレーディング工程を経ずとも、クリエイティブな映像を短時間で制作することができます。


アナモフィック撮影対応の機能向上
RAW記録時、フルフレームセンサーモード時に4:3(4192×3140)/6:5(3768×3140)の記録解像度を追加します。これにより、2倍のアナモフィックレンズで撮影する際により効率的な制作をサポートします(EOS C500 Mark IIのみ)。

また、モニタリングにおけるデスクイーズ倍率設定において、2倍/1.3倍に加えて1.8倍の倍率を追加します。

EOS C70

AF枠サイズ設定に「全域」を追加、タッチ追尾にも対応
画面内にある被写体にピントが合うように、自動的にAF枠を設定する「全域」をAF枠サイズに追加します。※1また、「全域」AF時、LCDモニター画面上で被写体をタッチすることでフォーカスを追尾モードへ移行できるようになります。※2これにより、さらに自由なオートフォーカスのワークを実現します。

※1「全域」AF設定時、AF枠は表示されません。
※2「顔検出&追尾」入り設定時。


HDMI出力にビューアシストが適用可能に
WideDRガンマ/BT.709ガマットに変換するモニタリング用のビューアシスト機能が、HDMI出力にも適用できるようになります。これにより、Log収録時の外部モニターでのモニタリングにおける利便性が向上します。※再生時は適用されません。


マウントアダプターEF EOS R 0.71×の対応EFレンズ拡張
EF16 35mm F2.8L III USM / EF24 70mm F2.8L II USM / EF24 105mm F4L IS II USMに加えて、対応EFレンズを7機種拡張します。


・対象レンズ
EF16 35mm F2.8L II USM / EF16 35mm F4L IS USM / EF24 105mm F4L IS USM
EF70 200mm F2.8L IS II USM / EF70 200mm F2.8L IS III USM / EF70 200mm F4L IS USM
EF70 200mm F4L IS II USM


対応レンズでは、F値や焦点距離のメタデータを適切に変換し、正確な光学情報を基にAE/オートアイリス、デュアルピクセルCMOS AFが稼働します。周辺光量補正や倍率色収差補正の光学補正も有効になります。

また、これまでEF EOS R 0.71×使用時、常にAF可能範囲枠が表示されていた仕様を、タッチでAF枠操作する時のみ、1秒程度表示する仕様に変更します。