Jotdog

Blackmagic Designの発表によると、メキシコのイマーシブ・テクノロジー企業であるXR Talesが、メキシコのポップバンドJotdogの「Catástrofes Perfumadas」ミュージックビデオなど、多くのプロジェクトのバーチャルプロダクションにUltimatte 12合成プロセッサーを採用しているという。

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XR Talesは、Unreal Engineで作成したバーチャルエレメントを、Ultimatte 12のリアルタイム合成性能と組み合わせることで、エネルギッシュなビジュアルのビデオを作成。同ミュージックビデオでは、エイリアンの襲来がカラフルに描かれる。

メキシコ、ハリスコ州のグアダラハラに拠点を置くXR Talesは、リアルタイムVFX、バーチャルプロダクション、バーチャルリアリティ、AR(拡張現実)などを専門としている。イアン・マーティン氏が監督し、XR Tales、Guanamor Music、そしてCM Filmsがプロデュースしたこのミュージックビデオは、H.G.ウェルズのSF小説「宇宙戦争」をモチーフにしている。このミュージックビデオでは、リードボーカルのマリア・バラクーダとギタリストのジョージ・"ラチキス"・アマーロの演奏の背景で、活気のある街がエイリアンに侵略されていく。

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Ultimatte 12を、Ultimatte Smart Remote 4、DeckLink 8K Proキャプチャー・再生カード、 HyperDeck Studio Proディスクレコーダーと併せて使用することで、グラフィックやライブアクション、アニメーションなどを含む複雑なバーチャルプロダクションのシーンを扱うことができたという。XR Talesの技術ディレクターであるアドラー・アロンソ・ザモーラ・ルイス氏は次のようにコメントしている。

Ultimatte 12を使用することで、合成をリアルタイムで行うことができました。バンドメンバーは、スタジオのグリーンバックで演奏しています。同時に、Unreal Engineで作成したバーチャルエレメントをこれらのシーンに合成しました。

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Ultimatte 12を使用したことで、ルイス氏は、アーティストたちの手前や後ろに環境レイヤーをリアルタイムで挿入できたという。

リードボーカルはゾンビから逃げたり、巨大なゴリラに捕まったり、エイリアンに連れ去られて空中を舞ったり、とにかく動きが多いんです。すべてのエレメントをまとめて、カラーが影響を受けないようにするために、完全なコントロールが必要でした。

Ultimatte 12を使用すると、2つのシーケンスでイメージを確認できます。1つはグリーンバックを背景にしたアーティストのイメージ、そしてもう1つはアーティストに全てのバーチャルエレメントを合成したイメージです。これにより、演出がとても簡単になりました。

バーチャルプロダクションの大きな課題のひとつは、グリーンバックで照明を完璧に設定する必要があることです。今回のミュージックビデオは、非常に複雑でリッチな色やグラフィックを含むシーンがありましたが、Ultimatte 12のクロマキーのおかげで、照明が完璧でない部分に関して心配する必要はありませんでした。

暗い部分やシャドウをリアルタイムで修正でき、さらにすぐにリタッチや修正が必要なエリアを確認できました。現場で調整することが可能だったので、ポスプロで面倒な作業が必要なく、非常に助かりましたね。

このミュージクビデオの出来には本当に満足しています。制作には何ヶ月もかかりましたが、私たちのビジョンを忠実に実現できたと思います。出来上がった作品は本当に素晴らしいですね。すべてBlackmagic Design製品のおかげです。私たちがこのミュージックビデオの制作を楽しんだのと同じように、Jotdogのファンたちにはこのビデオを見て楽しんで欲しいですね。