URSA Mini Pro 12K事例:ドラマ「Station 19」の場合

Blackmagic Designの発表によると、ABC Signature/Shondaland制作の「Station 19」が第4シーズンのエピソード「Comfortably Numb」において、独自のアングルからの撮影にURSA Mini Pro 12Kを使用したという。

ABCによる同作は、シアトルの消防署の勇敢な消防士たちの活躍と私生活を描いた物語。「Comfortably Numb」とタイトルが付けられた同エピソードでは、登場人物の一人であるベンが健康上の問題で手術を受けることになる。手術室のシーンでは、URSA Mini Pro 12Kは手術台の上に横たわるベンの様子を独自のアングルで映し出し、臨場感ある映像をキャプチャした。

ASCである撮影監督のクリスチャン・シーボルト氏は、同シーンでのベンの恐れと不安感をリアルに捉えるために、撮影に独自の方法を用いることにしたという。

シーボルト氏:3名のスタッフが本作のセットで通常使用している3台のカメラで撮影していたのですが、VFXがシーンに大きな影響を与えるので、エディター用にもう一台のカメラで上からのショットを撮る必要があると感じたんです。

追加されたこのアングルでは、手術台の上のベンの顔を上部から撮影している。

このシーンでは3台のカメラで他の出演者を撮影していたので、そのうち1台をベンのショットに使うと、他の登場人物の映像が撮影できなくなってしまうので、それは避けたかったのですが、ベンだけを捉えた映像は物語を伝える上で欠かせないと思いました。

長年にわたるBlackmagic Designカメラのユーザーである同氏は、そのキャリアにおいて様々な機種での撮影経験があり、各プロジェクトに持ちこんでいる個人の機材キットにも同社製のカメラが多数含まれている。同氏は、オリジナルモデルのBlackmagic Cinema Cameraを2016年のCBSのテレビシリーズ「Rush Hour」で初めて使用したと語る。

各エピソードで多くのアクションシーンがあったので、3台のメインカメラに加え、2台のカメラで追加のアングルを撮影することは、エキサイティングなシーケンスをキャプチャする上で欠かせませんでした。

最近では、Pocket Cinema Camera 4Kと6K、URSA Mini Pro 4.6Kを多数のテレビ番組の撮影に使用しています。これらのカメラのショットは、他の極めて高品質のカメラからのショットと交互に切り替えてカット割りしても問題が生じません。多数のVFXが使用した(来年公開予定の)映画「Reagan」の撮影にはURSA Mini Pro 12Kを使用しました。この経験から、同カメラではシーンの質に妥協することなく、重要なショットを撮影できると実感しました。他のカメラとBlackmagic Designカメラのイメージをマッチさせることは一度も問題になったことはありません。

同氏は、URSA Mini Pro 12Kを頭上にリグ組みして、俳優の顔にフォーカスしつつ、周囲に十分な余裕があるようにフレーミングして、同シーンのショットを撮影した。

極めて高い解像度のイメージなので、編集の段階でショットをクローズアップできると分かっていました。高品質の12Kイメージであるため、必要に応じて再フレーミングできます。動く俳優を固定カメラで撮影することに不安はありませんでした。

高解像度であることに加え、12Kの画質にも同氏は感心したという。

ワイドダイナミックレンジのクリーンなイメージが得られ、自然なディテールが多くキャプチャーでき、アーチファクトは全く生じません。

これまで使用したBlackmagic Designのカメラはすべて、スキントーンを美しく映し出し、細かなディテールが得られるので、最終的なカラーグレーディングでマッチさせたり、調整するのが簡単です。私にとっては、カメラの技術的なデータは取り立てて重要ではありません。最も重要なのは、美しいイメージが得られるか、自分の目で見ているものとカメラの映像がマッチするか、暗い影や明るい空のディテールを維持できるか、アーチファクトを生じさせず、特定の効果を得るためにカメラでルックを調整できるか、ポストプロダクションで調整や修正する必要ないクリーンな映像が得られるか、ということです。こういった要素を考慮してカメラを選定しています。Blackmagic Design製のカメラである場合は、常に迷うことなく撮影に使用しています。