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Blackmagic Designによると、Sky Deutschlandの犯罪スリラーシリーズ、「Pagan Peak(英題)」の両シーズンで、デイリーおよび最終的なカラーグレーディングに、DaVinci Resolve Studio編集/グレーディング/VFX/オーディオポスト・ソフトウェアが使用されたという。
ドイツ国内のテレビ番組賞で最優秀ドラマ賞に選ばれた「Pagan Peak」は、ドイツとオーストリアの国境で起きた謎の連続殺人事件を題材にしている。それぞれの国から刑事が一人ずつ現場に派遣された。彼らは異なる観点とアプローチ方を持っているが、連続殺人を止めるためには協力が必要だ。
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カラリストのマーティン・スラフラネック氏は、フィリップ・ペシュクロウ撮影監督、シリル・ボス監督およびフィリップ・ステナート監督と協力し、直感的かつ感情的なグレーディングを行うことで、ドラマの視聴者を登場人物たちの内なる物語と結びつけた。
スラフラネック氏は次のようにコメントしている。
スラフラネック氏:アクションの多くは、アルプス山脈や森の中など、屋外で起こっています。そのため、自然でわざとらしくないグレーディングを目指しました。ロケーションに基づいて統一性を保つというよりは、シーンの感情的なトーンに基づいて自由にルックを作成することで、シリーズの最終的なトーンを完成させました。
シーズン2では、撮影監督および監督たちは、より多くのカラーを使用したいと考えていたが、全体的なルックの彩度は上げたくなかったという。
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スラフラネック氏:屋内のショットでより大胆なウォールカラーを使用するだけでなく、フィリップはより色味のある光、特に赤い光を使用するというアイデアを思いつきました。そして、論理的でリアルであることよりも、雰囲気を重視して直感的にこれを実行したんです。
私が気に入っているシーンは、オーストラリア人刑事のギデオンのクローズアップから始まります。彼がどこかに閉じ込められているようなシーンです。イメージ全体で赤味を強調することで、恐怖心を煽るような、それでいて抽象的な雰囲気を出し、彼がどこにいるのか分からないようにしています。
デイリーの処理を既に行ったDaVinci Resolveのツールパレットを使用してルックを設定することで、最終的なグレーディングの仕上げが非常に簡単になりました。マスクを追加して、お気に入りのツールである時間的ノイズ除去を使用し、最終的なタッチを加えました。
スラフラネック氏はシーズン1で、デイリーと最終的なグレーディングの両方を扱ったが、今回はデイリーの作業をトーベン・ジョネン氏とキリアン・マラーズ氏にまかせたという。
スラフラネック氏:各シーンで、複数のルックおよびアプローチ方法があるため、私たちの関係性を明確にした上でコラボレーションすることが非常に大事でした。常に話し合うことを心がけましたね。全プロジェクトのカラーワークフローの各段階で、DaVinci Resolveをベースとして使用することで、複雑なクリエイティブ・プロセスがかなりやりやすくなりました。
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