20220323_BMD_02_top

Blackmagic Designによると、アデレードに拠点を置くHartstone-Kitney Productions(HKP)が、最近行われたアデレード・フリンジ・フェスティバルにおいて、Blackmagic Studio Camera 4K Plus、ATEM Mini Extreme ISOライブプロダクションスイッチャー、そしてBlackmagic Pocket Cinema Cameraシリーズを使用して、デジタルプログラムの30%以上の配信を行ったという。

HKPはまた、マルチカムの配信セットアップを使用して、複数の小規模な地域劇場のプロダクションを放送。サウスオーストラリアのホップグッドシアターで近日行われる予定の、ルイス・メジャー氏による「Satori」および「Unfolding」ダンス・プロダクションもこれに含まれる。

アデレードに拠点を置くHKPは、受賞歴を持つプロダクションハウスであり、演劇、キャバレーショー、イマーシブイベント、劇場のデジタル化などを専門にしている。新型コロナウィルスにより様々な制限が課された際、HKPは活動をペースダウンするのではなく、劇場のライブパフォーマンスをハイブリッドの配信モデルへと進化させるためのチャンスと捉えた。

これを実現するために、同社は演劇のライブ配信サービスであるBlack Box Liveを創設。オーストラリアの都市部および地方の劇場が、劇場のチケットの売り上げだけに依存することなく生き残り、成長する手助けとなった。

Black Box Liveは、ライブパフォーマンスのデジタル・デスティネーションであり、視聴者は、ライブショーや事前に収録されたコンテンツをオンデマンドで見ることができる。このサービスは、オーストラリア国内の多くのパフォーマンスで使用された他、2021年のアデレード、エディンバラ、ハリウッドにおけるフリンジ・フェスティバルで、52本のショーの配信にも使用された。

Black Box Liveの中心となっているのは、完全なBlackmagic Designの配信ワークフローで、Blackmagic Studio Camera 4K Plus、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K、Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proデジタルフィルムカメラ、ATEM Mini Extreme ISOスイッチャーが使用されている。また、オンデマンドで視聴できるパフォーマンスのポストプロダクションでは、DaVinci Resolve Studio編集、グレーディング、VFX、オーディオポスト・ソフトウェアが使用されている。

20220323_BMD_02_01

HKPの共同創設者であるトム・キトニー氏は次のようにコメントしている。

キトニー氏:私たちは開けても暮れても演劇のことを考えていますが、Blackmagic Design製品により、ライブパフォーマンスを自由に作成し続けることが可能となりました。そしてBlackmagicのテクノロジーは低コストで習得も簡単なので、新進気鋭のアーティストや技術者たちに、Blackmagic Designシステムを使って、独自の配信を開始するようアドバイスすることもできました。

世界第2位の規模を誇るアートフェスティバル、アデレード・フリンジには、今年は7,000人以上のアーティストが出演する予定である。新型コロナウィルスや旅行制限によりフェスティバルに参加できなくても、誰もが観られるように、HKPはライブ配信とオンデマンド配信を全世界で展開することを決定した。

キトニー氏:アデレード・フリンジは素晴らしいフェスティバルですが、今年は少々状況が異なっています。公共の集まりに来なかったり、イベントのキャンセルに関して検索する人が多かったんです。私たちは参加者の減少をただ座って眺めているのではなく、ライブパフォーマンスの運営から、高品質のデジタル配信へと方向転換しました。これだけ幅広いジャンルのショーを配信するのは大変な仕事でした。

しかし、Blackmagicのカメラは可搬性が非常に優れており、高品質のイメージを得られる上、操作を簡単に習得できるので、多くの小規模なテクニカルプロダクション・チームを育成することができ、品質を損なうこともありませんでした。

近頃アデレード・フリンジで配信され、その後オンデマンドで視聴可能になったルイス・メジャー氏の「Spaces Between Us」および「Epilogue」のダンスパフォーマンスでは、HKPは2台のBlackmagic Studio Camera 4K Plusと、1台のBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K ProをATEM Mini Extreme ISOでスイッチング。さらに3台のBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kも使用した。ライブ編集のデジタルファイルは、ATEM Mini Extreme ISOで収録され、ポストプロダクションで使用された。さらにBlackmagic RAWのフッテージから、4K UHDバージョンが再生成された。

20220323_BMD_02_02

キトニー氏:Studio Cameraは、地方のツアーに最適です。セットアップにかかる時間は最小限で、操作は本当にシンプルです。カメラを三脚にスライドしてレンズを装着し、電源を入れ、HDMIとSSDを設定するだけで、サンシェードを開いて撮影を開始できます。

Studio Cameraは、セットアップに多くの機材を必要としません。そのため、カメラマンたちは現場でショーの内容を理解することに時間を使えるので、最高のアングルやシーケンスを考えることができます。さらに、Studio CameraのカラーやUHDセンサーは、Blackmagic Pocket Cinema Cameraと完璧にマッチするので、ステージの映像を豊富に得られます。

「Spaces Between Us」および「Epilogue」は、マウント・ガンビールにあるサー・ロバート・ヘルプマン・シアターで撮影およびライブ配信された。同シアターは、サウスオーストラリア州の地方都市にある伝統的なプロセニアムアーチの大型劇場である。様々なワイドショットやクローズアップショットを織り交ぜてパフォーマンスを撮影するために、カメラの配置や操作において柔軟性が求められた。

HKPのアートディレクターであるジョアン・ハートストーン氏は次のようにコメントしている。

ハートストーン氏:シアター内で、ステージとカメラの最適な距離を設定し、これらのカメラをインハウスのシアターシステム、そして技術監督を務めるトム・キトニーが受け持つ中央コントロールルームと連結しました。Studio Cameraはステージ近くに設置し、Blackmagic Pocket Cameraはワイドショットに使用しました。これにより、ポスプロでは、DaVinci Resolveで配信を再確認し、グレーディングする際に使用できるデータを大量に得ることができました。

Blackmagic Studio Camera 4K Plusで重宝している機能は、7インチのLCDスクリーンです。従来的に暗い劇場で行われるショーでは低照明条件が問題になりますが、暗い環境でも力を発揮します。また、カメラにハンドルが付いていることで、スムーズにパン/ティルトできます。ダンスパフォーマンスでは、突然の動きや継続的な動きなどが多くありますが、このような極端な場面で非常に役立ちますね。画面の明るさやコントラストをコントロールできることで、カメラマンたちは照明が点灯する前に暗闇の中でもダンサーたちを見つけることができます。

20220323_BMD_02_03