アドビは、After Effectsの最新アップデートを公開した。同アップデートでは、Appleシリコンのサポートやレビューおよび承認機能「Frame.io for Adobe Creative Cloud」の統合や、Adobe Sensei搭載の新機能「シーン編集の検出」、3Dワークフローの強化などの機能強化が含まれる。
レビューをスピードアップする「Frame.io for Adobe Creative Cloud」
Adobe After Effectsに「Frame.io for Adobe Creative Cloud」を搭載した。これにより、共同作業者や関係者からのリアルタイムなフィードバックの収集が可能になり、ポストプロダクションの制作進行が効率化する。モーションデザイナーはAfter Effectsを離れることなく、制作中の作品をレビューのために共有してフィードバックを受けられるようになる。
Apple M1ネイティブサポートで制作スピードは最大3倍に
Appleシリコンのネイティブサポートにより、After Effectsは前世代のMacと比較して、M1で2倍、M1 Ultraで最大3倍高速に動作するように改善した。ロトブラシ 2や新しい「シーン編集の検出」などのAdobe Sensei搭載機能も高速化されている。
再生もスムーズになったほか、新しいM1 Ultraシステムでは、従来のハイエンドモデルと比べてEXRデコードが2倍、ProResデコードが最大4倍速くなる。
編集済みビデオの編集がすぐに始められる「シーン編集の検出」
Adobe Senseiの機械学習を使ったレンダリング済みのシーケンス内のカットポイントを特定する「シーン編集の検出」機能を搭載。これにより、編集済みコンテンツを素材にしたモーションデザインの作業がより効率的になる。カットポイントにマーカーを追加する、シーンごとに別レイヤーに振り分けるといったプロジェクトの準備作業が迅速に行えるようになった。
Adobe After EffectsのAdobe Sensei搭載機能には、シーン編集の検出のほか、コンテンツに応じた塗りつぶし、ロトブラシ 2が含まれている。
3D作業をより簡単にする「拡張ビューア」と「ビン化インジケーター」
フレームの外側にある2Dおよび3Dレイヤーを表示(ドラフト3Dエンジン使用時)することで、モーションデザイナーが3D空間をナビゲートしたり、3Dレイヤーを移動するのを容易にしてくれる「拡張ビューア」を搭載した。フレームからはみ出した部分を隠したり、透明度を変更したりして、最終的な見え方を確認しながら作業ができるようになる。
3Dレイヤーの「ビン化インジケーター」は、同じ3D空間で一緒にレンダリングされる3Dレイヤーのグループ(ビン)を示すので、3Dコンポジションを整理しておくのに役立つとしている。