Blackmagic Designは、卓上型の新しいHyperDeckレコーダー/プレーヤー「HyperDeck Shuttle HD」を発売した。希望小売価格は税込62,678円。
※2022年4月22日追記:為替レート変動の影響により、メーカー希望小売価格に変更あり。新価格は税込68,178円
HyperDeck Shuttle HDは、卓上での使用を意図して設定されおり、片手でフロントパネルを操作可能。適度に傾斜しているため、サーチダイヤルを使用する際に手首に負担がかかりにくく、コントロールボタンは指先に配置される。HyperDeck Shuttle HDはATEM Mini Extremeと同じ高さと傾斜角度を実現。また、従来型の放送デッキと同様のボタンを搭載。リアパネルには、ビデオ、電源、ネットワーク、コントロールの接続が搭載されているという。
H.264、ProRes、DNxファイルに対応しており、放送マスターを収録可能。オーディオをPCMかAACから選択することもできる。ATEM Miniスイッチャーと共に使用する際に高品質のマスタリングが可能。番組を放送局に送信したり、YouTubeにアップロードするために必要な機能を搭載している。
大型のサーチダイヤルを搭載しているので、クリップライブラリを簡単に閲覧できる。前クリップに戻るためのボタンを使用すると、クリップの頭出しを実行可能。再生後にCLIPボタンを押すと、現在のクリップの最後で再生を停止できる。ATEMスイッチャーでは、イーサネットを介してHyperDeck Shuttleをリモートコントロールすることも可能。
HyperDeck Shuttleは、高速に使用できるコントロールパネルを搭載。これらのボタンは従来型の放送デッキと似ており、収録ボタンを押すだけでファイルへのビデオ入力の収録が瞬時に開始され、収録メニューで設定したファイルフォーマットで収録される。再生、頭出し、次クリップへの移動を実行できるボタンも搭載。機械加工された金属製のサーチダイヤルでは、シャトル、ジョグ、スクロールが実行できるため、すばやくクリップを見つけられる。デッキコントロール機能はすべて、イーサネットネットワークを使用して、遠隔からトリガー可能。
HyperDeck Shuttleは、一般的なSDカードおよびUHS-IIカードへの収録をサポートしているため、高額なカスタムメディアは必要ないとしている。また、外付けUSBディスクにも収録できる。USBハブやBlackmagic MultiDockでUSBディスクを使用している場合、複数のディスクに収録できるので、ノンストップ収録が可能。1TBのカードに1080p59.94のH.264を最長157時間収録できる。1枚の1TBのカードに、HDで6日間以上収録を続けられるという。
他の種類のメディアに収録する必要がある場合、USB-C拡張ポートに接続した外付けフラッシュディスクに収録が可能。また、編集に使用するディスクアレイにも収録できるため、ポストプロダクションを始めるにあたってファイルのコピーに時間を費やす必要はないとしている。ディスクをコンピューターにマウントするだけで、すぐに編集を開始できる。Blackmagic MultiDock 10Gは4つのSSDメディアスロットを搭載しているため、HyperDeck Shuttleに接続することで、SSDメディアに対する互換性を追加可能だという。
HyperDeck Shuttle HDは、最も幅広く使用されているコーデックに対応。放送品質のDNxおよびProResファイルフォーマットを使用できるが、NTSC、PAL、720p、1080p、さらにはインターレースフォーマットである1080iでの収録には、容量の小さなH.264を使用可能。60:1から285:1の圧縮率を用いて、完全な放送品質で極めて小さなファイルに収録可能。オーディオは、非圧縮のPCM、またはYouTubeにファイルをアップロードする場合はAACから選択できる。HyperDeck Shuttle HDは、WindowsのexFAT、MacのHFS+両方のディスクフォーマット形式に対応しているので、いずれのプラットフォームでもディスクをマウント読み取りできる。また、単一のビデオファイルに長尺のイベントを収録可能。
HyperDeck Shuttleは小型であるが、充実したインターフェースを搭載しているという。HDMI入力はカメラやATEM Miniなどのスイッチャーに接続でき、HDMI出力はプレゼン用にモニターに接続したり、長尺のメディアプレーヤーとしてATEM Miniスイッチャーに接続できる。HyperDeck ShuttleからCM、プロモーションビデオ、ミュージックビデオをATEM Miniで再生できる。リアパネルには12V DC電源入力が搭載されており、電源は同梱されている。1Gイーサネットのインターフェースでは、コントロールおよび遠隔でのファイルのアップロードが可能。USB-C拡張ポートは、大容量の外付けディスクへの収録、ソフトウェアアップデート、ウェブカメラの出力として使用できる。SDカードスロットは、SDカードとUHS-IIカードの両方に対応。
HDMI入出力が内蔵されているので、民生用カメラ、モニター、テレビ、ビデオプロジェクターだけではなく、ATEM Miniスイッチャーも接続できる。SDフォーマットには、NTSCおよびPALが含まれる。720p HDフォーマットには720p50および720p59.94、1080i HDインターレースフォーマットには1080i50および1080i59.94が含まれ、1080p HDフォーマットには1080p23.98、24、25、29.97、30、50、59.94、60が含まれる。またHyperDeck Shuttleは、1080 PsFフォーマットにも対応。
HyperDeck Shuttle HDは大型のサーチダイヤルを搭載しているので、テレプロンプターとしても使用可能。収録メニューでテレプロンプターに切り替えるだけで、標準のRTFテキストファイルを台本として読み込める。テレプロンプターを使用するために専用のソフトウェアは必要ないという。台本は、TextEditなどのテキストエディターで作成できる。複数の台本を切り替えるには、前/次クリップボタンを使用する。JOGとSCRボタンを両方同時に押すと、従来型のテレプロンプターのように台本をライブでスクロール可能。サイズ、色、書体や配置などもRTFファイルから読み取ることができる。台本は標準の12ポイントで作成でき、HyperDeckがプロンプターのディスプレイに合わせて自動的にサイズを調整するので、とても便利としている。
HyperDeck Shuttleは、シンプルなFTPクライアントソフトウェアを使用して、リモートでメディアファイルをアップロードできる。HyperDeck Shuttleは1Gイーサネットを内蔵しているため、高速のファイル転送が可能。SDカードより速く処理できることもある。リモートデッキコントロールには、簡単に習得できるテキストベースのプロトコルを全モデルで使用しているので、Telnetなどのシンプルなターミナルアプリを使用して、コントロールコマンドをテスト可能だという。
Blackmagic Design CEO、グラント・ペティは次のようにコメントしている。
新製品、HyperDeck Shuttle HDは非常にエキサイティングな製品です。コンパクトなデスクトップ型の製品で、HyperDeckのパワフルな機能を使用できます。真の放送局品質のレコーダー/プレーヤーにHDMIインターフェースを搭載しているので、ATEM Miniスイッチャーとの使用に最適なメディアプレーヤーです。HDMIベースのHyperDeckですが、パワフルな放送用機能を搭載しています!