パナソニック コネクト株式会社(以下:パナソニック)は、排球堂マーケティング株式会社およびパナソニック映像株式会社とともに、2021年11月から2022年3月まで開催された一般社団法人日本バレーボールリーグ機構(Vリーグ機構)が主催するV.LEAGUE DIVISION1 MENの14試合で、開発中の「KAIROS(ケイロス)クラウドサービス」を活用した、ライブ配信の実証に成功した。
Vリーグ機構の関連会社として、Vリーグを中心に、バレーボールの映像配信やマーケティング活動を手掛ける排球堂マーケティングは、Vリーグ独自の映像配信プラットフォーム「V.TV」の運営を行っており、V1(Vリーグの中でのトップカテゴリー)だけでも年間400試合にものぼるライブ・オンデマンド配信を実施している。
そのため、現場業務の効率化とともに、独自の配信プラットフォームとしての価値を高めるため、視聴者により楽しんでいただくコンテンツ配信を求められていたという。この「効率化」「付加価値提供」への解決策を探る中で、実証実験という形でKAIROSクラウドサービスを活用した。
様々な会場で長期に渡り開催されるリーグ戦のライブ配信には、中継車やプロ向けの映像制作機材の持ち込み、システム構築など、都度発生するリソースやコスト面が大きな負担となる。そこで、同実証実験では、試合会場(大阪)にパナソニック製カメラレコーダー(AG-CX350)に加え、リモートカメラ(AW-UE150)を活用することで現場スタッフを削減。さらに、映像制作・配信、試合の実況・解説を、会場から離れたコントロールルーム(東京)で行うことで、現場への機材搬入や設置時間の短縮、人の移動時間削減により業務効率化を実現した。
試合会場のカメラ映像は、一般のネットワーク回線を用いて、KAIROSクラウドサービスに伝送する。コントロールルームにあるパソコンからKAIROSクラウドサービス環境にアクセスすることで、音声ミックスやスイッチング、スコア追加、スローモーションなど、多様な演出でライブ配信を行うことができたという。
さらに、視聴者やファンからの「試合の様子以外の映像も見たい」というニーズに応え、試合前の様子を各チームのマネージャースタッフがスマートフォンで撮影、その映像をKAIROSクラウドサービスに自動伝送。コントロールルームにてリアルタイムに映像を確認し、試合前やセット間の配信コンテンツに即座に差し込んむことで、視聴者からも高評価を得たという。
今回の実証実験のポイントは、現場の「効率化」と「付加価値提供」を両立したライブ配信で視聴者体験を向上させることだったという。
制作業務分散化により、会場への機材搬入や準備、ハイライト映像の制作・配信を効率化することで、14試合の長期に渡るリーグ戦でも、安定した配信を実現。視聴者ニーズによる新たな映像素材を加えることで、よりファンや視聴者が楽しめるリッチなコンテンツ配信の実現を可能にしたとしている。同実証実験における各社の役割は以下の通り。
- 排球堂マーケティング株式会社:運営全般の各種調整・撮影スタッフの手配
- パナソニック映像株式会社:撮影、配信時の各種設定・映像制作・スイッチング・オペレーション
- パナソニック:KAIROSクラウドサービス・各種カメラシステム・ノートPC等システム構築