サムスン電子は0.56μmサイズのピクセルを2億個搭載したイメージセンサー「ISOCELL HP3」(以下、HP3)を発表した。2022年内に量産予定だという。
1/1.4インチ規格のHP3は、ピクセルサイズを既存の製品比で12%減の0.56μmに設計され、モバイル機器に搭載するカメラモジュールのサイズを最大20%まで減らすことが可能だという。2億個の画素全体を活用する位相差自動焦点技術「スーパーQPD(Quad Phase Detection)」が適用された。左右上下の位相差を利用して、より迅速かつ正確にピントを合わせることができるとしている。
また、イメージセンサーの全画素を活用して焦点を合わせることができ、イメージ全域で鮮明な画質を提供する。HP3は全画素自動焦点機能とともに、毎秒30フレーム8K超高解像度、120フレーム4K高解像度映像をサポートし、映画撮影レベルの「シネマカメラ」性能を実現。特に、同製品は写真撮影と同じ画角で超高解像度8K映像撮影をサポートするのが大きな特徴だという。
明るい所と暗い所の照度差が大きい部分が混在した状況では、露出時間の異なるフレーム3枚を合成して、きれいで鮮やかなイメージを提供する「スタガードHDR(Staggered High Dynamic Range)」機能もサポートする。また、HP3に搭載された「スマートISOプロ」技術は、低感度(低ISO)イメージを中感度(中間ISO)または高感度(高ISO)イメージと合成して、暗いシーンをよりきめ細かく表現するようにサポートするという。以前まで低感度と高感度画像を合成したのとは異なり、中感度画像も活用できるようになり、状況に最適化された画像を提供するとしている。
HP3は14bitサポートにより、以前の製品と比べて色表現力が64倍向上し、より鮮やかで現実感のある画質の実現が可能だとしている。照度条件に応じて、4個または16個の隣接ピクセルを一つにまとめて撮影する独自技術「テトラスクエアドピクセル(Tetra2Pixel)」も適用。テトラスクエアドピクセルは、低照度環境で隣接するピクセルを結び、受光面積を4倍、16倍に拡大し、より鮮明なイメージを提供するという。
サムスン電子システムLSI事業部センサー事業チーム長イム・ジュンソ副社長は次のようにコメントしている。
サムスン電子は2019年に業界初の1億画素イメージセンサー時代を開いた。今回の業界最小ピクセルサイズのHP3新製品を通じてユーザー経験革新を続けていく。