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© 2022 20th Television. All rights reserved.

Blackmagic Designによると、VFXスタジオのAtlanta VFXが、大ヒットテレビシリーズ「マーダーズ・イン・ビルディング」で、Fusion Studioを使用したという。Atlanta VFXはFusion Studioの合成ツールを使用して、カメラテイクのブレンド、グリーンバックの置き換え、ショットの差し替えを行い、同作のシーズン2のシームレスなVFXを作成した。

「マーダーズ・イン・ビルディング」は、Disney Television Studiosの一部である20th TelevisionによるHuluオリジナルシリーズである。自分たちが住むマンションが犯罪の渦中にあることを発見した実録犯罪ポッドキャスターたちのストーリー。第2シーズンでは、スティーヴ・マーティン、マーティン・ショート、セレーナ・ゴメスが演じる、ニューヨークのマンション「アルコニア」の住人たちが殺人の容疑をかけられる。

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Atlanta VFXのオーナーであり、VFX監督であるジェイソン・メイナード氏と合成監督のジェレミー・ネルソン氏が率いるチームは、シーズンを通じて膨大な数のグリーンバックショットの作業を行った。メイナード氏とネルソン氏は次のようにコメントしている。

メイナード氏:Fusion Studioには、デルタキーヤー、ウルトラキーヤー、プリマットキーヤーがあります。常にいずれかのキーヤーでジョブを実行でき、シームレスに統合できます。例えばあるエピソードでは、マンションの内部のシーンで60以上のグリーンバックショットを使用しました。このエピソードでは、数人の登場人物が緑のシャツを着ていたので、複数のキーヤーを使ってカラーを分離する必要がありました。

グリーンバックを背景にした俳優のフレームは、室内の窓のショットに置き換える必要があったので、デルタキーヤーをメインで使用し、さらにプリマットキーヤーとウルトラキーヤーも使用してショットを完成させました。窓の反射や汚れなどの要素により、単にキーを設定してレンダリングするよりも複雑な作業が必要でした。

登場人物の一人が着ていたシャツに複数のトーンの緑が含まれていたのですが、プリマットキーヤーは、キーイングするものを選択する追加方式なので、このジョブを完成させるのに不可欠なソリューションでした。

ネルソン氏:また、別のエピソードでは、メイベル(ゴメス演)が子供時代にフラッシュバックするシーンがあり、2つのカメラパンテイクを1つのテイクに融合させる必要がありました。

Fusion Studioを使用して、Aプレートの3Dスタビライズを行い、それをBプレートに投影することで、2つのテイクのシームレスなトランジションを実現できました。

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ブームマイクやスタッフ、窓に映ったカメラなど、不必要な要素を取り除くためにFusion Studioの3Dトラッカーが使用された。さらにノードベースのワークフローにより、複雑なシーンを容易に管理できたので、様々なVFXシーケンスを次々と処理できたとメイナード氏は述べている。

ネルソン氏:このような番組を作り上げる時には、細かい部分が重要なんです。例えば、Fusion Studioの3D置き換えツールを使用して、マンションの入口の文字を書き換えたりしました。

この作業では、カメラの動きのすばやい3Dトラッキングと、ペイントノードを使用したクリーンプレートが求められます。置き換えツールを使用することですばやく置き換えられました。これは、アルファチャンネルやロトシェイプを使った簡単な3Dモデリングに最適です。

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