Blackmagic Designによると、ファッションブランド「イラナ・コーン」が、新しいキャンペーン映像のポストプロダクションにBlackmagic Cloudを使用したという。新しいラインの発売とマンハッタンの新店舗オープンを記念して作成されたこれらの映像は、編集、グレーディング、VFX、オーディオプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioを使用して編集・グレーディングされた。すべての作業にかかった時間は48時間以下である。
イラナ・コーンは、ニューヨークシティでデザイン・制作されている衣服および布地のブランドで、マンハッタンの"ダイムススクエア"に本店を構えている。新店舗のオープンを記念し、同ブランドは映像制作者であるチャールズ・ヘイン氏を起用。カラフルで楽しくテンポの良い映像で、夏のダイムススクエアの雰囲気をキャプチャーした。ヘイン氏は次のようにコメントしている。
ヘイン氏：イラナ・コーンの新店舗の宣伝に間に合うようにプロジェクトを納品する必要があり、彼らはクールな映像を希望していました。モデルにTiaを起用したのですが、彼女はローラースケートが得意だったので、ローワー・イーストサイドでローラースケートしてもらい、躍動感をキャプチャーすることにしました。
私の経験から言うと、ファッション業界の人たちは他のクライアントとは異なる言語を使います。どうすれば、彼らのアイデアや希望を彼らの言語で引き出せるかを常に考えていますね。今回のプロジェクトでは、一緒に音楽を聴きながら雰囲気について話し合い、様々なルックを試しました。
DaVinci Resolve StudioとBlackmagic Cloudを使用することで、ヘイン氏は離れた場所にいるファッション業界に精通したエディターを起用し、同時に全体のプロセスを効率よく進めることができた。また、作業プロセスを通じてクライアントを巻き込めたことも重要なポイントであった。
ヘイン氏：一番重要なのは洋服です。ファッション業界のクライアントは、洋服のディテールを細かくチェックしています。クライアントをできる限り巻き込み、できる限り多くのショットを見せることが鍵ですね。
そうすることで、裾のラインや折れ具合がおかしいなど、自分たちでは気づかないようなディテールにクライアントがいち早く気付いてくれます。そしてこれらのショットは、洋服とその"フィーリング"が適切になるよう色補正が施されているので、クライアントも喜んでいました。
また、Blackmagic Cloudを使用したことで、リモートチームと円滑に仕事を進めることができたとヘイン氏はいう。
ヘイン氏：とにかくスピードが重要でした。編集を終えてからカラーを調整する時間はなかったので、編集を行っている際にフッテージのルックを色々試してみたかったんです。Blackmagic Cloudは、私の期待を上回るものでした。チャット機能、テキスト、メール、Dropboxなどを使って非常に簡単に作業できました。ついに、待ち望んでいた形のリモートワークが実現したと思いましたね。
カットが完成するごとに、エディターが"準備完了"とテキストを送って来るので、確認してカラーグレーディングを施し、さらにクライアントに送信してコメントをもらっていました。
撮影後、デイリーはDaVinci Resolve StudioからDropboxの共有フォルダにレンダリングされ、これらのファイルはエディターとヘイン氏の自宅にあるシステムで同期された。Blackmagic Cloudを使用し、エディターは720p ProResのプロキシでカットを作成し、その後ヘイン氏がカラーを担当。それを受け、クライアントカラーと編集に対して、同時に提案や認証を行った。
ヘイン氏：Blackmagic Cloudを採用したことで、信頼するリモートエディターを起用できたことはもちろんですが、自分自身も自宅とオフィスで作業できるようになったことも嬉しかったですね。オフィスではフル解像度の6Kファイルを使用していましたが、ハードドライブを持ち運びたくなかったんです。
Blackmagic Cloudを使用すれば、自宅でもラップトップでDropboxのプロキシファイルを簡単に使用でき、編集の確認や調整が可能です。そしてオフィスに戻って作業を完了し、フル解像度のファイルに問題なく再接続できます。
今までのシステムを使用していたら、今回のプロジェクトの締め切りは悪夢のようなものだったでしょう。.drpファイルをメールで送受信することや、バージョン管理は常に頭痛の種でした。Blackmagic Cloudでは、すべてをDropboxに保存でき、簡単にログイン/ログアウトできます。編集作業は常にこうあるべきだと思いますね。
