Blackmagic Designによると、16才のオーストラリア人監督、ジェシカ・ニッパレス氏による短編のホラーコメディ、「Devil Bean(原題)」が、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kデジタルフィルムカメラで撮影されたという。同作は、2022年カンヌ国際映画祭において、アメリカンパビリオンの新進気鋭の映画監督紹介の一環として上映された。
15才にして同作の監督、撮影監督、エディターを務めたニッパレス氏は、この紹介イベントで作品を上映された最も若い監督の中の一人である。現在高校3年生のニッパレス氏は、「Devil Bean」およびそれ以前に制作した短編映画で、Tropfest Australia、ACMI Screen It、Focus on Ability Film Festival、FlickerUpなどの世界中の映画祭で数々の賞を受賞している。また、2022年のワールドフェスト・ヒューストン国際映画祭では、ベスト・ハイスクール・プロダクション賞を受賞している。
「Devil Bean」は、クリスマスにコーヒーメーカーを手に入れた父親の最悪の顛末を描いている。コーヒーメーカーを使った途端、父親の依存症が暴走し、絵に描いたような完璧な家庭が引き裂かれていく。
ニッパレス氏は、「Devil Bean」の制作にニューサウスウェールズ州政府からアーツ・リスタートという5,000ドルの助成金を得て、作家、映像制作者、そして彼女のメンターであるケイデンス・ベル氏と共に制作を開始した。ベル氏はBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kを使用するようニッパレス氏に助言したという。ニッパレス氏は以下のようにコメントしている。
ニッパレス氏:私は常にストーリーテラーでありたいという願望を持っているのですが、この願望は、実体験や自己学習を通して映画制作のスキルを身につけようとする姿勢とともに、私の中に強く刻み込まれています。
私にとってこの作品は、個人的でクリエイティブな道のりを象徴するものです。制作過程を通じて多くの新しいスキルを身につけ、同時に、この痛快でほろ苦い短編作を作成できました。この作品では、Blackmagic Pocket Cinema Cameraが大きな役割を担っています。
ニッパレス氏は、「リーファー・マッドネス 麻薬中毒者の狂気」など、1930年代の作品に敬意を表し、誇張したユーモアと、超自然的な力が入り込んでいるような感覚をミックスさせたような作品を目指していた。幸せな家庭がコントロールを失っていく過程では、色やシェーディングの大胆な変更が重要な役割を果たした。ニッパレス氏は、今回初めてBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kを使用したが、広ダイナミックレンジ、低照明条件下での性能、使いやすさなどにより、彼女が必要とするイメージが得られ、どのようなショットでも撮影可能だという自信に繋がったという。
ニッパレス氏:この作品では、"侵入"というアイデアに焦点を当てました。家族が象徴するモダンな白い柵に囲われたおとぎ話の世界観と、コーヒーメーカーが象徴する派手なカルトクラシックホラーの世界観の衝突です。Blackmagic Pocket Cameraを手に取り、すぐに撮影を始めました。
低照明条件での性能は素晴らしかったですね。照明に予算を多くかけられなかったし、学校やコロナのこともあったので、撮影できる時に撮影するしかなかったんです。マジックアワーの光を待っている時間はありませんでしたが、Blackmagic Pocket Cameraで撮影すれば、ポスプロでイメージを調整できることが分かっていました。
Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kのハイダイナミックレンジにより、リビングに家族が集まり、新しいコーヒーメーカー(悪魔)を開封するという、重要なクリスマスの朝のシーンを問題なく撮影できた。ニッパレス氏は、このシーンを撮影するためにすべてを準備したが、窓から入る日光では明るさが足りなかったという。
ニッパレス氏:このシーンを成立させようとすると、家族の頭上の窓が露出過多になってしまいます。撮影を延ばす時間もリソースもなかったのですが、Blackmagic Pocket Cameraでは、ポスプロでイメージを思い通りに調整するために必要なディテールを得られると分かっていたので問題ありませんでした。
このカメラは操作が非常に簡単なので、クリエイティブな面に集中して、思い通りにストーリーを撮ることができました。私はまだ若いですが、ハリウッドで使用されているのと同じカメラを使用できたことが、「Devil Bean」の成功の鍵だったと思います。