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キヤノンは、リモートカメラの新製品「CR-N700」を2022年12月28日に発売する。以前、12月発売予定としていたもの。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税込121万円。既発のCR-N500やCR-N300は併売していくという。

1.0型CMOSイメージセンサー搭載で4K60P 4:2:2 10bit対応

CR-N700は4K60P対応のリモートカメラで、CR-Nシリーズの最上位機種。4K60P 4:2:2 10bit対応で、1.0型CMOSイメージセンサーや映像処理プラットフォームは最新の「DIGIC DV 7」を搭載。これにより、デュアルピクセルCMOS AFでお馴染みのオートフォーカス方式に対応し、撮影画面内の広いエリアで高精度のフォーカスを実現可能としている。

AFを支える機能として、瞳AFと頭部検出を搭載。キヤノンのパンチルトズームカメラでは初搭載としている。

高倍率ズームも特徴で、4K対応で光学15倍、フルHD撮影時は4Kが持つ多画素イメージセンサーを活用した最大約30倍のアドバンストズームに対応。広角端は25.5mmと、1台で様々な場面に使用できるモデルとしている。

映像出力フォーマットは、IP、3G-SDI、HDMI、12G-SDに対応している。3G SDIからは2Kを出力し、他のHDMIと12G-SDI、IPの方からは4K60Pの出力が可能。様々な映像出力フォーマットを備えている。

HDR方式は、HLG(ハイブリッドログガンマ)とPQの2つに対応。Canon Log 3も対応し、本格的な制作にも対応するハイエンドなリモートカメラとしての機能を搭載している。

同期PTZ機能や複数画角配信に対応

CR-N700は、スムーズで応答性の高いパン/チルト/ズームのパフォーマンスに対応。Aの現在地からBの目標位置に動く際に同時にスタート・ストップに対応するキヤノンリモートカメラが特徴とするスムーズな操作性を実現している。

また、CR-N700の新機能として、クロップ機能による複数画角配信を搭載している。1台のカメラで複数画角を配信でき、撮影した映像全体の出力と同時に、一部分をクロッピングして映像制作を可能としている。最大2箇所までHD画角の設定が可能で、クロップした映像をズーミングもできる。現場の省力化やカメラマンの人数の削減といった面でもサポートできるカメラとなっている。

対応プロトコルはCR-N500対応のXCプロトコル、NDIプロトコル、RTSP、PTMPのプロトコルに加えて、SRTプロトコル、free-dプロトコルにも対応する。キヤノン独自の映像制作向けのXCプロトコルにも対応しており、キヤノン機器間での柔軟なシステム構築を可能としているNDIプロトコル対応で、サードパーティー製のスイッチャーやツール、アプリなどの要望に応じたシステム構築が可能。

また、VR、ARの映像制作に対応するFreeDプロトコルに対応。トラッキング情報の伝達などできるプロトコルで、様々な映像制作の場面に対応としている。

制作ニーズに合わせたマルチ出力が可能

SDI出力は、2系統搭載。12G-SDIと3G-SDIを1つずつ搭載しており、本線用とモニタリング用で使用可能。先に紹介したクロップ配信に使用可能で、マルチ出力が可能としている。

汎用性の高いDC12V入力4ピンXLRコネクターの採用やPoE++に対応。CR-N500と同じように、ケーブル1本で給電制御、配信を可能にしている。操作はリモートカメラコントローラーの「RC-IP100」やリモートカメラコントロールアプリに対応。ボディカラーは黒と白で、白は受注生産での対応としている