技術交流展「GEAR EXPO TOKYO 2023」

日本映画撮影監督協会(JSC)と日本映画テレビ照明協会(JSL)は、技術交流展「GEAR EXPO TOKYO 2023」を2023年1月21日~1月22日の2日間にわたって開催した。

会場は東映東京撮影所東宝スタジオ6st(東京都練馬区)。GEAR EXPO TOKYOの特徴は実践的なワークショップで、会場に実際のセットを建てて撮影現場を再現して現場視点での解説が行われていた。また、カメラ、レンズメーカー、照明機器メーカーの出展ブースは第1回開催より増え、こちらも大変な賑わいを見せていた。

宗賢次郎氏/伊藤俊介氏主催者代表インタビュー

主催者を代表して宗賢次郎氏(JSL)と伊藤俊介氏(JSC/JSL)に直撃してみた。


FalconEyes-Sシリーズスタジオライトや組み立て式サンシェードパネルを展示

静音設計となっているSシリーズのLEDライトは200W/300W/600Wをラインナップ。スマートフォンアプリから光量・色温度・色かぶりを操作できる。実際にファンの音を聞いてみたが非常に静かであった。

サンシェードパネルは軽量コンパクトですぐに組み立てが可能。大きなリフレクターほど組み立てに手こずることもあるが、ストレスなくスムーズに撮影に集中できる。大きさも2種類と撮影環境に合わせて検討ができる。

Apture-カード型パネルLEDの新製品やデジタルスレートを展示

カード型パネルLED「MC PRO」は手のひらサイズながらも従来のモデルより30%光量がアップ、マグネット式のグリッドが付属することにより、撮影のバリエーションが増えた。発売日・価格は未定だが、2023年4月までには発売予定とのこと。

タイムコードの入出力を備えたDEITYのデジタルスレート「TC-SL1」は、暗所でも見やすく、ライトを当てる必要なくスムーズな撮影を可能としている。

NANLITE-NANLUXブランドのスタジオライトに注目

「Evoke 1200B」は屋外での使用できる防水規格IP54と1200Wの高出力のLEDにより、雨や雪など環境に左右されることなく撮影が可能なスタジオライトだ。別売りのフレネルレンズを付けることにより、ビーム角度をスポットからフラッドまで調節可能。「Dyno 1200C」はRGB対応1200WのLEDパネルライトだ。GEAR EXPOのワークショップイベントでもDyno 1200Cが3灯使用された。朝や夜のシチュエーションを1台で表現できるという。

disguise-インカメラVFXと拡張現実ソリューションをデモ

初出展となるdisguiseは、拡張現実(xR)ソリューションを展示。LEDの外側はリアルタイムレンダリングしたCGで補える。LEDでカバーしきれない領域をCGで補ってくれることで、ステージよりも広い画をカバー可能になる。

Prolycht/Tokina-6色のライトエンジン搭載LEDライト やVistaシリーズプライムレンズを展示

Orion675FSは6つの異なるカラーチャンネルを混ぜて白色を作るRGBACL LEDハイパーライト技術が特徴で、1200K~20000Kの幅広い色温度を実現可能としている。0.1%ごとで出力を調節できるため、細かな調節が可能。ガラスがLED素子の前に搭載されており、色馴染しやすい光源をつくることができる。

Tokinaブランドのシネマレンズは、フルフレーム対応のVISTAシリーズとスーパー35対応のズームレンズシリーズが展示された。極限までフォーカスブリージングを抑えたレンズ設計と、温かみのある色味で綺麗なフレアの「表現が可能。新たに2022年にラインナップに追加された180mm T1.9 Vista Primeも展示も行われていて、注目を浴びていた。