株式会社ワコムが提供するキャリブレーター「Wacom Color Manager」がアップデートされ、2022年9月に発表したフラグシップモデルの液晶ペンタブレット「Wacom Cintiq Pro 27」でも利用できるようになった。
カラーサイエンスおよびテクノロジー分野において業界をリードするX-Rite社とワコムが共同開発した「Wacom Color Manager」は、液晶ペンタブレットの表示色と写真、印刷物、アニメーション、動画などの制作物を一貫した色管理をする必要があるプロクリエイター向けに設計されたという。
Wacom Cintiq Pro 27のハードウェアキャリブレーションも可能な色彩計とカラープロファイリング用のソフトウェアが同梱されており、緻密でハイクオリティな色表現を実現し、簡単かつ迅速に色管理ができる。
Adobe RGBカバー率99%、DCI-P3カバー率98%の広色域に対応し、高精細な4K解像度で10億7374万色を鮮やかに映し出すWacom Cintiq Pro 27をWacom Color Managerと組み合わせて利用すると、カラーマッチングに配慮したワークフローを構築できるとしている。最大4つのルックアップテーブル（LUT）を作成する機能で客観的な色測定が可能。カラープロファイルはハードウェアに書き込むことができ、パソコンを入れ替えても再度キャリブレーションをせずに液晶ペンタブレットを使うことができるという。
ブランド・ビジネス・グループのエグゼクティブバイスプレジデント、ファイク・カラオグル氏は次のようにコメントしている。
カラオグル氏：広色域ディスプレイを採用したWacom Cintiq Pro 27をWacom Color Managerで適宜キャリブレーションしていただくと正しい色で表示されるので、色を確認するプルーフモニターなどの設備費を削減することができます。また人的エラーの削減で生産性も向上します。X-Rite社との連携により、クリエイティブコンテンツのプロフェッショナルが色を簡単に管理し、やり直しや不良コストを削減するサポートをいたします。
Pantone認証とPantone SkinTone認証を取得
Wacom Cintiq Pro 27とWacomColor Managerはどちらも、パントンマッチングシステム（PMS）カラーとパントン・スキントーン・ライブラリを忠実に再現し、映画、テレビ、モバイル機器、印刷物を含むすべてのプラットフォームで正確な色彩表現を実現。Wacom Cintiq Pro 27は、Pantoneの厳格なテスト基準に合格し、Pantone 認証およびPantone SkinTone認証を取得している。
さらに、デジタルシネマ標準の色域であるDCI-P3に対応していることで、映像制作でも高いカラーパフォーマンスを発揮するという。
X-Rite社のOEMセールス担当バイスプレジデントであるジャン・ケラー氏は、次のようにコメントしている。
ケラー氏：私たちはワコムと緊密に協力して、Wacom Cintiq Pro 27と直接かつシームレスに連携して動作するようにソフトウェアをカスタマイズしました。Pantone認証に対応したWacom Color Managerのアップデートで、ユーザーは確かな色再現により、すべての出力デバイスで意図したとおりに仕上がった作品をご堪能いただけると確信しています。
