■発売日
- 2023年4月下旬
■希望小売価格はオープン(キヤノン公式オンラインストアの参考価格)
- EOS R8・ボディ:税込264,000円
- EOS R8・RF24-50 IS STM レンズキット:税込293,700円
- RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM:税込50,380円
キヤノンは、2023年2月8日に「EOS R8」と「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」を発表した。実機体験の機会が得られたので、詳細をお伝えしよう。
約461gの軽量・軽快フルサイズ
EOS R8は、2022年12月に発売したEOS R6 Mark IIの高性能を引き継いだモデルだ。ターゲットは、EOS KISSシリーズやKISS Mシリーズからのステップアップ、Vlogなど気軽でなおかつ高画質な動画を撮りたいユーザーとしている。
さらに現在フルサイズの一眼レフ・ミラーレスカメラを持っているユーザーの買い替え・買い増しもターゲットにしていることから、多くのユーザーが関心を持ちそうだ。
35mmの約2420万画素フルサイズCMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」を搭載し、常用ISO感度は102400(静止画)に対応。HDR PQや階調の広い写真を撮影できるHDRモードを搭載し、人間の目で見たようなリアリティのある作品を撮影可能なカメラとしている。
静止画のドライブ/AF機能に関しても、高速、高精度、広範囲&高レンジ、加えてディープラーニングを活用したアルゴリズム「EOS iTR AF X」の恩恵により、高精度な被写体検出も搭載したモデルだという。
ドライブに関しては、電子シャッターで最高40コマ/秒、電子先幕シャターで最高約6.0コマ/秒の連続撮影が可能。また、RAWバーストモードを搭載し、シャッターを切る直前の瞬間も記録できる、約30コマ/秒の高速連続撮影も実現している。
AFに関しては、広エリア、高密度で被写体検出とトラッキングに対応。対応レンズを装着して被写体を検出した場合は、画面全域でトラッキング(検出した被写体を連続して追尾し、ピントを合わし続けること)が可能。最大1053分割での精密化した測距エリアで、より精度の高いAFを可能としている。
1 | 約2420万画素新フルサイズCMOSセンサー DGIC Xによる高速・高画質 | 5 | フォーカスブリージング補正、デジタルテレコン、高周波フリッカーレス撮影 |
2 | 電子シャッター最高約40コマ/秒 RAWバーストモード30コマ/秒 |
6 | 4K60P/30P(7Kオーバーサンプリング)FHD 180P 30分制限なし |
3 | バリアングル3.0型タッチパネル(162万ドット) 0.39型236万ドットEVF | 7 | Canon Log3搭載、プレ記録設定、デジタルズーム、 アスペクトマーカー、フォルスカラー |
4 | 651点デュアルピクセルCMOSAF Ⅱ 人物検出(瞳・頭・胴体)、動物検出(犬・猫・鳥・馬)、 乗り物検出(車・バイク・鉄道・飛行機) |
8 | シングルSD(UHS-Ⅱ)、LP-E17、 マルチアクセサリーシュー、防塵防滴 |
EOS RPの操作性を踏襲しつつ、さらにブラッシュアップを実現。電源のオンから静止画撮影まで、全て右手で行える電源スイッチを配置する。
さらにEOS R6 Mark IIから搭載し静止画撮影、動画撮影のスイッチを搭載。モードダイヤルを操作することなく、静止画撮影と動画撮影をすばやく切り換えられる。また静止画撮影または動画撮影の選択をレバーの位置で瞬時に把握を可能としている。
3.0型(縦横比3:2)、約162万ドットの液晶モニターを採用。ハイアングル、ローアングル、正位置、縦位置など、自由な視点で静止画、動画を撮影可能。
さらにEOS R6 Mark IIから搭載し静止画撮影、動画撮影のスイッチを搭載。モードダイヤルを操作することなく、静止画撮影と動画撮影をすばやく切り換えられる。また静止画撮影または動画撮影の選択をレバーの位置で瞬時に把握可能。
EOS RPで対応したエクステンショングリップ「EG-E1」がEOS R8にも対応する。グリップの長さが足りない場合にエクステンショングリップを搭載することで、ボディの高さや大きさを補うことができるという。
6Kオーバーサンプリングによる高画質な4K60P対応
動画に関しては、4K60PやフルHD180Pに対応する。EOS R6 Mark IIやEOS R3にも搭載されている6Kオーバーサンプリングプロセッシングにも対応し、低感度から高感度まで優れた解像感と色再現性が得られる。
4K撮影時のローリングシャッターの歪みは、EOS RPの4K30P/25P時と比較して、約半分程度の量に抑えられている。動画常用ISO感度に関しても、ISO25600に対応する。
高画質の特徴としては、HDR PQやCanon log 3に対応。10ビットの動画の撮影を実現できる。手ブレ補正は、動画電子ISとレンズ内ISの協調制御で手持ち撮影でも安定した映像を記録可能。撮影可能時間に関しても、温度上昇を抑える工夫により4K30Pでの長時間撮影が可能になっている。
また、温度上昇の検知に関しては、温度警告表示の機能を搭載。連続撮影時間の制限に関しては、動画記録30分制限を撤廃。最大で約2時間の撮影を可能にしている。ただし、ハイフレームレート動画の179.82/150.00fps時は最大20分00秒、119.88/100.00fps時は最大30分00秒としている。
機動時間短縮やモニター/ファインダーの切り替え処理を高速化
EOS R8は電源ボタンを押した瞬間にモニターが反応、すぐに撮影が可能。電源を押した際の独特なラグのようなものは感じられなかった。立ち上がりの速さを体感すると、機動性という面では非常にメリットになるだろ。
機動時間の短縮を実現
ファインダーを覗いた時の切り替え速度も非常に速かった。望遠レンズで被写体を確認し、ファインダーを覗いての繰り返しの動作でも一瞬を逃すことなく撮影がシームレスにできる。覗いた時のラグが気になるという一眼レフユーザーにもお勧めできるようになっている。
モニター→ファインダー切り替え処理の高速化
EOS R8を実際に体験して感じたのは、エントリークラスのフルサイズミラーレス機でありながらも、かなりのポテンシャルを秘めたモデルであることだ。静止画も動画も様々な作品を撮りたいというクリエイターにとって大きな存在のカメラとなるだろう。
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
「EOS R8」と同時に発売を予定している「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」は、フルサイズ対応のRFレンズのズームレンズの中でも軽量・コンパクトなレンズだ。こちらの特徴や実際の使用感などをお伝えしよう。
1 | 広角24mmスタートの2倍標準ズーム | 4 | リードスクリュータイプのSTMを搭載。特に動画撮影で効果を発揮する滑らかなAFを実現 |
2 | カメラ側での歪曲収差補正を前提としたレンズ | 5 | AF/CONTROL/MFの3値SWを搭載。フォーカス/コントロールリングには機能割り当て可能 |
3 | レンズ単体で4.5段 IBIS×OISの協調制御で7.0段の手ブレ補正効果 | 6 | 7枚羽根の円形絞り 69.9mm×58mm(沈胴収納時)、約210g |
EOS R8との組み合わせは非常に軽く感じた。RFレンズはこれまでコンパクトな単焦点レンズは存在していたがズームではなかった。レンズの質感はRF24-105mm F4-7.1 IS STMに近い。ボディ内での歪曲収差補正を前提することで、小さなレンズ設計を可能にしたのだろう。撮った写真でもわからないレベルではあった。常に持って歩くにはちょうど良いサイズであるので、気になる方は是非一度試していただきたい。
また2023年2月14日~3月18日までキヤノンのフォトハウス銀座・フォトハウス大阪・キヤノンプラザ S コミュニケーションスペース・名古屋支店 コミュニケーションスペースでEOS R8とEOS R50のタッチ&トライを実施する。事前に予約が必要だが、誰でも無料で参加ができる。