パナソニック コネクト、次世代型1チップDLPプロジェクター「PT-REQ12/REZ12」シリーズ発売。空間演出に新たな可能性を

開発の背景

ミュージアムやテーマパーク、商業施設を中心に、エリア全体を映像で包み込む没入型エンターテインメントが広く浸透している。こうした演出は来場者にとって身近になりつつあり、従来にない精細感や新感覚の映像演出を通し、オーディエンスがこれまで味わったことのない体験を提供することが求められるという。一方、現場においては、機材の設置、調整、管理までを含めたワークフローが複雑化しており、各作業をいかに効率化するかが課題となっている。

これらのニーズに総合的に応える次世代型プロジェクターとして、同社は「PT-REQ12/REZ12シリーズ」を開発したという。同シリーズは、8,000lm～12,000lmの1チップ DLPモデルとして4K解像度を実現することで、精細感を飛躍的に高めつつ、240 Hzの滑らかな動画再生にも対応し、動体プロジェクションマッピングなど、新たな演出への可能性を切り拓くとしている。

さらに、「電動周辺フォーカス」に対応した新レンズラインアップや、Intel SDM規格の拡張スロットも用意。柔軟でスムーズなワークフローを実現し、現場作業の効率化も進めていくとしている。

新世代の映像性能

未知なる映像体験に寄せられる期待・ニーズに対し、同シリーズはまず、独自の2軸画素シフト技術「クワッドピクセルドライブ」が可能にする4K解像度によって応える。240Hzの高速リフレッシュレートにも対応し、動きの速いコンテンツも6ms以下の遅延で残像感なくスムーズに再生。シミュレーションやeSports大会などのゲーミング用途、さらには同社の高速追従プロジェクションマッピングシステム（ET-SWR10）との連携で動体へのマッピングも行えるなど、演出の可能性が限りなく広がるという。

イマーシブな演出で重要となるコントラスト表現においては、レンズ性能向上によりネイティブコントラストが高まり、黒の沈みが一層シャープになったという。新開発の映像シーン解析回路のもと、光源を緻密に制御するダイナミックコントラストとの融合で、画面内の明暗差が際立ち、シーン連動では1つ1つの場面が真に迫ってくるような、進化を遂げている。黒レベルは最大17ポイントで柔軟に補正できるほか、映像表示エリア外の黒浮きまで抑えられるため、マルチスクリーンでもシームレスな投写が可能だしている。

柔軟でスムーズなワークフローを実現

演出のさらなる飛躍、高度化が想定される同シリーズでは、オプション、機能、インターフェースのさらなる拡充を図り、複雑なワークフローをスムーズ化する。まず、最短0.308:1、最長3.38:1のスローレシオをもつ新レンズラインアップは、従来手動だった周辺フォーカス調整を電動化し、スクリーンから離れていてもリモコン1つで周辺フォーカス補正が可能になったという。

レンズシフト幅の拡大や、フレア・色にじみの改善も行い、空間演出に必要となる高い柔軟性を実現。接続端子にはIntel SDM規格の拡張スロットが加わり、自社開発の12G-SDI端子ボードやDIGITAL LINK端子ボード、さらには他社製のインターフェースボードも装着可能で、現行ラインアップにない拡張性を備える。

本体内蔵の機能としては、任意のコンテンツを「ユーザーテストパターン」としてソース入力なしで活用できる新機能に加え、「幾何学歪補正・設置調整ソフトウェア」のアップグレードキットを本体に適用している。複雑な凹凸面へのキャリブレーションや、黒レベル・カラーマッチングを含めたマルチスクリーン調整など、工数のかかる作業をスムーズに実現し、仕上がりの精度も高めるという。

高信頼な新キャビネットデザインと堅牢な冗長性

同社1チップ DLPモデルとして初となる完全液体冷却システムと、IP5X 適合の密閉光学エンジンを組み合わせ、20,000時間メンテナンスフリーを実現。小型軽量ながら、高信頼な新キャビネットデザインとなっている。光源には、独自の冗長設計を施した「マルチレーザードライブエンジン」を採用。入力信号に乱れが生じた場合も、バックアップ入力へと瞬時に切り替わるなど、演出を止めない冗長性が幾重にも確保されている。万一の不具合発生時にも瞬時に対処できる機能設計で、長期にわたり安心して使える仕様となっている。

製品概要

PT-REQ12シリーズ

PT-REZ12シリーズ