ソニーは網膜投影カメラキット「DSC-HX99 RNV kit」を2023年3月24日に発売する。
DSC-HX99 RNV kitは、矯正眼鏡を装用しても視覚に不自由さを抱えるロービジョン者の「見えづらい」を「見える」に変えるQDレーザの「With My Eyes」プロジェクトから生まれたカメラキット。
ロービジョンとは、眼鏡やコンタクトレンズを装着しても見えにくい、まぶしく見える、範囲が狭くて歩きにくいなど、日常生活での不自由さをきたしている状態を指す。世界には約2億5,000万人、日本国内では約145万人と推定されている。QDレーザは、これまでWith My Eyesプロジェクトを通じて、目に不自由さをきたしている方を支援する活動や製品の提供を行っているという。
網膜投影カメラキットDSC-HX99 RNV kitは、QDレーザの網膜投影型ビューファインダー「RETISSA NEOVIEWER」とソニーのデジタルスチルカメラCyber-shot「DSC-HX99」をキット化した商品。RETISSA NEOVIEWERは、光の三原色である赤、緑、青の半導体レーザーで色を作り、網膜に直接映像を投影することにより、目の前眼部やピント調節機能の影響を受けずに映像の認識が可能になるという。
網膜に直接映像を投影する技術の都合上、網膜の機能が低下している場合や、障害の程度によっては映像の認識が難しい場合もあるという。見え方については個別で実機を体験して確認をしてほしいとしている。また、医療機器ではなく、特定の疾患の治療や補助、視力補正を意図するものではないという。
デジタルカメラのDSC-HX99は、2018年11月発売の本格撮影機能をコンパクトなボディーに凝縮した高倍率ズームモデル。ツァイスレンズを搭載しており、広角24mmから望遠720mm、全画素超解像ズームでは最大1440mmまでズームが可能なモデル。手ブレを補正する機能やオートフォーカス機能をしており、カメラとしても十分な機能を搭載したモデルとしている。
DSC-HX99 RNV kitはソニーストアの店頭限定で、販売価格は税込109,800円。DSC-HX99の単品販売価格は税込93,500円で、ソニーはより多くのロービジョンの方々に提供をしたいとの思いで一部費用を負担することでこの価格を実現したとしている。商品の特性上、ソニーの直営店舗のみでの販売で実機を体験した方のみの購入可能。原則1名につき1台限定としている。