Blackmagic Designは、マイクコンバーター「ATEM Microphone Converter」を発売した。希望小売価格は税込56,980円。
ATEM Microphone Converterは、アナログオーディオをデジタルに変換するコンバーターで、新製品「ATEM Television Studio HD8」などのATEMスイッチャーにマイクを追加できる。ATEM Television StudioのMADIポートに接続するだけで使用でき、複雑な設定は不要だとしている。
MADI経由で複数チャンネルオーディオを接続
MADI出力は、4つのアナログ入力を、MADIチャンネル1、2、3、4としてエンベッドする。同製品に搭載されたMADI入力を使用すれば、単一のMADIリンクで5チャンネル以上のオーディオが必要な場合に、複数のコンバーターをループ接続可能。つまり、2台目のコンバーターを別のコンバーターの入力に接続すれば、アップストリームのコンバーターの4チャンネルが、ダウンストリームのコンバーターの4チャンネルに重なることになる。
革新的なアナログ-デジタル変換
オーディオADCを1つずつ使用する従来のオーディオ業界の設計から離れ、8つのハイダイナミックレンジ・オーディオADCが1つの超ハイダイナミックレンジ・オーディオADCとして集合的に機能するアナログ-デジタル変換を各入力に実装。これにより、各入力チャンネルで131dB(A)という驚異的なダイナミックレンジを実現した。
-129dBVと極めて低いノイズフロア
マイクコンバーターによくある問題のひとつに高いノイズフロアがある。これは、入力アンプで電子ノイズが発生することが原因だ。しかし、同製品は超ハイダイナミックレンジの入力変換機能を使用して入力を直接変換するという設計を採用したことで、この問題を解消。これにより、RAWオーディオをスイッチャーに伝送し、そこでオーディオレベルを補正するのに必要なだけのゲインを適用できる。つまり、アナログのゲインステージに起因するノイズの混入が生じないため、-129dBVまでノイズフロアを低減した。
デジタル・プリアンプの安定性
ワイドダイナミックレンジ入力によってアナログプリアンプが不要となり、マイクレベルは極めて安定性の高いデジタルプリアンプのゲインステージによって調整される。マイクのアナログオーディオレベルはメーカーによって大きく異なるが、このデジタルゲインステージを使用することで、特定のメーカーのマイクに合わせた補正が可能となる。何より、このデジタルプリアンプはフル32-bit浮動小数点のRAWオーディオビット深度で内部処理を行うため、MADIオーディオ規格よりもはるかに高い精度で調整できる。
アナログ入力を正確にマッチング
入力ごとに複数のADCを搭載する設計技術によって、各アナログオーディオ入力の仕様・許容値が非常に近くなり、全入力チャンネルを極めて高精度で一致させることができる。また、8つのADCという独特な入力設計によって、安定して一貫性のあるフラットなノイズフロアが維持され、従来のスタガ型のADCで生じていたノイズフロアレベルの変化による悪影響を受けることもないという。
HDMIビデオモニタリング出力も搭載しており、一般的なテレビまたはコンピュータモニターを接続してすべての状況を表示できる。過去60秒間を示す4つの波形がスクロール表示されるため、情報として有益であるだけでなく、見て楽しめるのも特徴だ。オーディオメーターもあり、入力コネクターでのレベルが表示される。
また、Mic/Lineの入力選択およびファンタム電源の設定を示すインジケーターもある。さらに、コンバーターをデイジーチェーン接続すれば、モニタリング出力はそれに適応して5チャンネル以上を表示する。