Blackmagic Designによると、YouTubeチャンネル「Joueur du Grenier」は、Blackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2デジタルフィルムカメラとDeckLink 8K Proキャプチャー・再生カードを使用して、Epic Unreal Engineでバーチャルセットを作成しているという。
Joueur du Grenier (HORS-SERIE) – Les films DONJONS ET DRAGONS
2009年に開始されたこのチャンネルは、再生回数10億回を超えている。「Joueur du Grenier」と、その兄弟チャンネルである「Bazar du Grenier」は、合計で500万人以上の登録者を誇る。共同創設者であるモラス氏とラーシア氏は、最近、一連のアップグレードを行い、制作ワークフローを近代化した。モラス氏は次のように語る。
モラス氏:これは2年前から考えていたアイデアだったんです。このまま限界を広げ続けたいのであれば、新しい設備への投資が必要だと自分たちに言い聞かせました。
このプロジェクトの鍵は、制作ワークフローを改善しつつ、管理しやすくすることであった。何度が話し合いを重ねた後、チームは、Blackmagic Design製品を導入し、撮影からポストプロダクションまで全体をカバーすることを決めた。
URSA Mini Pro 4.6K G2に切り替えることで性能が大きく向上
それまでは、このチャンネルではDSLRワークフローを使用していたという。映像技術者のニコラス・セナック氏は語る。
セナック氏:バーチャル制作テクノロジーを導入し、URSA Mini Pro 4.6K G2に切り替えることで、性能が大きく向上しました。
撮影した画像に、より自信を持てるようになりました。
Blackmagic Video Assist 7″ 12G HDRを組み合わせることで、フォルスカラーを使用して露出を確認できるので、ポストプロダクションでの不測の事態を減らすことができます。
物理的なセットを作る必要がなくなった
同YouTubeチャンネルのクリエイティブな野心を実現するために大きな役割を果たしたのは、Unreal Engineの導入など、バーチャル制作テクノロジーへの投資であり、これにより大きな可能性が切り拓かれた。
VFX/ポストプロダクション技術者のジョルダン・ブロ氏は次のように語る。
ブロ氏:シーンを撮影する際は、DeckLink 8Kを使用して、カメラフィードを直接PCに取り込みます。つまり、ライブビデオを直接Unreal Engineにインジェストしています。
その後トラッキングソフトウェアを使用してカメラの動きを再現し、ライブスタジオと3Dのエレメントをリアルタイムで合成します。
同様に、Unreal Engineを使用したことで、レンダリングにかかる時間が劇的に短縮された。つまり、クリエイターが物理的なセットを作る必要がなくなったのだ。
ブロ氏:ポリゴンの予算は無限で、シーンにもリアルな照明を無限に追加できるので、写真のようにリアルなレンダリングを短時間で実現できます。
合成およびカラーコレクションはDaVinci Resolve Studioを使用
制作チームは、ほぼ完成した特殊エフェクトをリターン画面で見ることもできるので、面白いフレームを見つけたり、最終的な結果を想像することができるようになった。撮影後は、DaVinci Resolve Studioで合成およびカラーコレクションを行っている。カリム・デバッチ監督は次のように語った。
デバッチ氏:Resolveのデイリー管理のスピードや、総合的な合成ソリューションツールとしてのFusionの性能により、さらに時間を短縮できるようになりました。
モラス氏は最後にこう締めくくった。
モラス氏:スタジオの改善と映像の品質向上について、素晴らしいフィードバックが寄せられています。映像のレベルを上げることができ、さらに最新の技術を使用した新しいフォーマットを開発し、限界を押し広げることができました。