Zero Density、バーチャルセット用カメラトラッカー「Traxis Camera Tracker」発表[NAB2023]

Zero Densityは、トラッキング技術のイノベーションを発表し、同社のTraxisブランドよりリリースした。同イノベーションには、放送局がカメラを追跡し、カメラとレンズのデータを管理するための統一ハブである「Traxis Camera Tracker」や、放送局がウェアラブルなしでセット上の複数の人を同時に追跡できる同社の「Traxis Talent Tracker」のメジャーアップデートが含まれる。

Traxis Camera TrackerとTalent Trackerのバージョンアップは、「NAB Show 2023」の同社ブース(ブース番号N1817)にて展示される。

LEDセットとグリーンスクリーン・シクロラマの両方に対応した同ソリューションは、放送局がフォトリアリズムに悩む時間を減らし、クリエイティブに集中するためのスペースを提供する。受賞歴のあるTraxis Talent Trackerのアップデートにより、AIを使用して3D環境内で個人を識別することで、ウェアラブルなしで複数の人の追跡が可能となった。従って、放送局は複数のプレゼンターやゲストが登場する作品に最適な、正確な反射、屈折、バーチャルシャドーを、一度に複数人がリアルタイムでより簡単に生成できるようになった。

Traxis Talent Trackerと同様に、Traxis Camera Trackerは、放送局が時間のかかるセットアップを必要とせずに没入感のあるバーチャルグラフィックスを作成が可能。高速かつ正確なレンズキャリブレーションを提供するため、難しいクローズアップや高速のカメラ移動、クレーンリグをトラッキングする場合でも、フォトリアルの結果を得るために何百ものキャリブレーションポイントを設置する必要がない。Traxis Camera Trackerのユーザーは、どんなに複雑なプロダクションであっても、バーチャルスタジオのキャリブレーションを行うことができる。一度キャリブレーションを行えば、新たな制作の前にスタジオを再キャリブレーションする必要はなく、ダウンタイムの削減が可能。

カメラやレンズのトラッキングフィードを管理するために、Traxis Camera Trackerソフトウェアプラットフォームは、セントラルハブとして使用ができる。同プラットフォームは、レンズのキャリブレーションだけでなく、それぞれが独自のプロトコルを持つ場合でも、すべてのカメラフィードをモニターすることができるので、クリエイターは、ベンダーやデバイスごとにプラットフォームを切り替えることなく、リアルタイムプロジェクトごとに最適なテクノロジーの組み合わせを自由に選択できる。

Zero DensityのCEOであるオフィール・ベノビッチ氏は、次のようにコメントしている。

ベノビッチ氏:プロダクションのすべての要件に対応する単一のトラッキング技術は存在しません。Traxisブランドの新製品では、放送局が複雑なセットアップを気にすることなく、最適なものを選択できるようにしたいと考えました。Traxis Camera TrackerとTalent Trackerは、正確なトラッキングとリアルなUnreal Engineグラフィックスを実現するオールインワンシステムで、選択したレンズに合わせて完全にキャリブレーションされたものをユーザーに提供します。

Zero Densityの新しいトラッキングソリューションのその他の利点は以下の通り。

  • シームレスにブレンドされた世界
    Traxisソリューションを使用すると、速いカメラの動きや複数のホストやゲストがいる場合、またはクローズアップが含まれる場合でも、現実世界と仮想世界の写実的なブレンドを簡単に作成が可能
  • 整頓されたパイプライン
    Traxis Camera Trackerは、撮影現場のカメラから直接電源を取得し、トライアックスまたは光ファイバーカメラ・ケーブルでデータを送信するため、追加のケーブル配線は不要
  • シームレスなキャリブレーション
    レンズのキャリブレーションが完了すると、データは任意の3Dレンダリングエンジンで使用可能となる。スタジオでの追加のレンダリングは不要。Traxis Camera Trackerは、箱から出してすぐにすべてを実行可能
  • 簡単なモニタリング
    Traxis Camera Trackerのハブにより、チームはスタジオ内の各カメラからの複数のトラッキングおよびレンズデータのフィードをモニタリングが可能。SDIカメラフィードに3Dグランドプレーンとマーカーオブジェクトを重ねるだけで、システムが機能していることを確認できる。将来的には、タレントトラッキング、オブジェクトトラッキングがこのプラットフォームに追加される予定
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