ヒビノ、「Ruby2.6F」のレンタル開始メイン写真

角川大映スタジオに幅27メートル、高さ6メートルのRuby2.6Fを設置して行ったインカメラVFX撮影

バーチャルプロダクション撮影に特化した「Ruby2.6F」レンタルを開始

ヒビノは、大型のバーチャルプロダクション撮影に特化したLEDディスプレイシステム「Ruby2.6F」のレンタルを開始した。

Ruby2.6Fは、反射の少ないマットな表面と高い色再現能力で、高品質なバーチャルプロダクションを実現するROE Visual製ハイエンドLEDディスプレイシステム。同社は、現在放送されている大河ドラマ「どうする家康」(NHK)の撮影より運用を開始としている。

同社は、外部スタジオで行われる映画やドラマ制作などの多様な撮影ニーズに対応し、最適なバーチャルプロダクションシステムを提供していくという。また、クリエイターの創造性と映像表現の自由度を高め、環境負荷の低減にも資するバーチャルプロダクション「インカメラVFX」の活用を推進することで、映像制作業界のさまざまな課題解決に貢献していくとしている。

導入実績例 大河ドラマ「どうする家康」(NHK)

「どうする家康」は、戦国時代の景色を変えることを目的にバーチャルプロダクションを導入。大河ドラマの撮影で大々的にバーチャルプロダクションが活用されるのは、本作が初。まだ誰も見たことのない新しい戦国の映像表現を実現することを実現するために、国内バーチャルプロダクションの代表企業であるヒビノに声がかかり、受注が決定したという。

ヒビノ、「Ruby2.6F」のレンタル開始説明写真
角川大映スタジオ(画面サイズ:幅27m×高さ6m)
ヒビノ、「Ruby2.6F」のレンタル開始説明写真
緑山スタジオ・シティ
ヒビノ、「Ruby2.6F」のレンタル開始説明写真
緑山スタジオ・シティ
ヒビノ、「Ruby2.6F」のレンタル開始説明写真
NHK名古屋放送局

従来の大河ドラマでは、オープンセットや野原、森林などを使いロケーション撮影されていたシーンの多くを、「どうする家康」はスタジオで撮影。バーチャルプロダクションを活用することで、従来のオープンセットでは難しかった各国の文化の違いや変化を空や城下町の空気感も含めドラマチックに表現することが可能になったとしている。

撮影時には、カメラを通した映像を馴染みよく仕上げるため、ワンシーン、ワンカットずつ環境に合わせてLEDディスプレイの色を調整し、仮想と現実の境を極限まで消した「一つの世界」を実現。適格な調整を手早く行うことで、バーチャルプロダクションの導入によって新たな調整時間を発生させたり、撮影の流れを止めたりすることなく、高品質で安定した撮影の実現に貢献しているという。

インカメラVFXを活用した見どころの一つに、角川大映スタジオに幅27メートル、高さ6メートルのLEDディスプレイ・システムROE Visual「Ruby2.6F」を設置して撮影した大スケールの合戦があるという。大規模な3DCG(戦国の世界)とCGで制作された大量のエキストラ(兵)をカメラの動きに連動させてリアルタイムに描画し、スムーズかつ高画質に動かすため、大規模なバーチャルプロダクションシステムを構築し、高負荷なリアルタイム処理を高い精度にて安定して実現。この大規模な合戦は、2023年4月23日より放送中。

バーチャルプロダクションは、成長期にある新しい技術であるため、今回の撮影期間中にも機材及びソフトウェアのアップデートがあったという。同社バーチャルプロダクション事業として、システム、撮影期間ともに過去最大規模の案件となる中、アップデートや日々のメンテナンスによって一度のシステムトラブルもなく11ヵ月以上、安定したバーチャルプロダクションの提供を実現してきたという。また、今後の取り組みとして、新しいカメラトラッキング・システムを組み込んだインカメラVFXの検証を進めており、まだ誰も見たことのない新たな戦国の映像表現が、この先の放送でも登場する予定としている。