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既設のLEDウォール(解像度9,600×3,456ピクセル)に、解像度7,680×3,456 ピクセルのCrystal LED Bシリーズ(LED画素ピッチ1.58ミリ)を追加

ソニーピーシーエル株式会社(以下:ソニーPCL)は、2022年2月に開設したクリエイティブ拠点「清澄白河BASE」内のバーチャルプロダクションスタジオの機能をアップグレードする。拡張工事を6月21日から開始し、7月26日にリニューアルオープンする。

同スタジオでは、開設以来バーチャルプロダクションを活用したCM、ドラマ、ミュージックビデオなど、50本を超える作品を手掛けてきている。今回のスタジオ機能のアップグレードは、これらの制作実績と多くのクリエイターとの共創から得た多彩なニーズへの対応を目指したものだという。これにより、さらなる映像表現の追求と制作パフォーマンスの向上を実現するとしている。

バーチャルプロダクションスタジオのアップグレード概要

ソニーのCrystal LED Bシリーズを使用した国内最大級となるメインLEDウォールを拡張する。既存の約2倍のサイズとなる解像度17,280×3,456ピクセル(横27.36m×高さ5.47m)で撮影エリアを広げ、より自由なカメラアングルでの撮影を実現。これにより光表現の幅が広がるという。

可搬式LEDを新たに導入する。また、ソニー独自開発のシステム「クイックキャリブ」導入により、天井LEDの効率的な昇降が可能になる。複数のLEDを活用した多面的な照明効果により、自然な環境光や被写体への豊かな反射表現を実現する。

XRシステムやトラッキングシステムを追加。リアル空間とバーチャル空間をシームレスにつないだ映像表現の開発を加速するとともに、新たな表現の可能性を広げるという。

常設のXRシステムとして「SMODE」を導入する。さらにオプションのトラッキングシステムとして、OptiTrack PrimeX41、OptiTrack PrimeX22を設置。これにより、ARキャラクターやプロップ、モーションコントロールなどを用いた演出やマルチカメラでの撮影も可能となるとしている。

また、同社はソニー製「Virtual Production Tool Set」や、ソニーPCL独自開発の「清澄白河BASE」制作シミュレーター(プロトタイプ)のトライアル運用を開始。より効率的なプリプロダクションの実現に向けた取り組みを始める。

2023年4月に開催された国際放送機器展「NAB Show 2023」にソニーが出展した、バーチャルプロダクション向け「VENICE」シリーズ対応のソフトウェア「Virtual Production Tool Set」のトライアル運用が可能となる。カラー調整やモアレの回避アラートなどの機能で、プリプロダクションから撮影時までバーチャルプロダクションのワークフローを効率化する。また、効率的なオンラインミーティングの実施やストーリーボードの作成を目指した、ソニーPCL独自開発の「清澄白河BASE」制作シミュレーター(プロトタイプ)のトライアル運用も開始する。

バーチャルプロダクションスタジオの機器

背景LEDウォール ソニー製 Crystal LED Bシリーズ(LED画素ピッチ1.58ミリ)
既存設置:解像度9,600×3,456 ピクセル(横15.2m×高さ5.47m)
追加設置:解像度7,680×3,456 ピクセル(横12.16m×高さ5.47m)
天井LED 解像度1,008×1,008 ピクセル(横7m×高さ7m)
可搬式LED 解像度1,536×960ピクセル(横4m×高さ2.85m)
カメラトラッキングシステム Mo-Sys StarTracker
NaturalPoint OptiTrack PrimeX41×2、OptiTrack PrimeX22 ×8 withシネパック(アクティブセンサー)、oARo EZtrack(レンズデータ転送)
送出システム インカメラVFX:Unreal Engine 4.27/5.11以上対応
映像:ソニーPCLオリジナルメディアプレーヤー「ZOET4」(外部ソースキャプチャ機能付き)
XR送出 SMODE
オプション機器
常設カメラ ソニー製デジタルシネマカメラ「VENICE 2」
カメラトラッキングシステム NaturalPoint OptiTrack PrimeX22×4
プリプロダクションツール ソニー製「Virtual Production Tool Set」
ソニーPCL独自開発「清澄白河BASE」制作シミュレーター(プロトタイプ)