Blackmagic Design導入事例:アリゾナ州の高校生による受賞作「Tsiiyééł」の場合

Blackmagic Designによると、アリゾナ州のFlagstaff Bordertown Dormitoryの高校生がアリゾナ大学のSchool of Theatre, Film and Televisionと共同で制作した「Tsiiyééł」の撮影にBlackmagic Designのデジタルフィルムカメラ、ポストプロダクションに編集、グレーディング、VFX、オーディオポストプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioが使用されたという。完成して以来、同作は世界最大の先住民映画祭であるimagineNATIVE Film and Media Arts Festivalを含む、10の国際映画祭で上映されている。

学生たちは、アメリカ先住民の文化から力を引き出すことを表現するために同作を制作した。同作では、ヘイリー・べキス演じるディネ(ナバホ)のティーンエージャーが気分の落ち込みを感じ、ディネの伝統的な髪型であるTsiiyééłを結ってランニングに行くことにする。走っている最中、自分の生き写しに追いかけられたことで、自分が何者なのかを自問することになる。主人公は、自らが属する伝統文化から力を得て、自分のアイデンティティーに対する自己意識の葛藤を乗り越え、ありのままの自分を受け止めることの大切さを学ぶ。

同作は、アリゾナ大学のSchool of Theatre, Film and Televisionの映画祭および賞を担当する部門からのアドバイスに従ったことで、非常に大きな成功を納めている。トロントのimagineNATIVEに加え、同作はアメリカおよびヨーロッパの映画祭で観客の心を掴んでおり、これまでにニューヨークのAll American High School Film Festival、サンフランシスコのAmerican Indian Film Festival、CineFestival San Antonio、イギリスのNative Spirit Film Festivalで上映されている。

Blackmagic Design導入事例:アリゾナ州の高校生による受賞作「Tsiiyééł」の場合

Kinlani Film Projectは、ディネ、ホピ、トホノ・オオダム、ハヴァスパイの高校生向けに、放課後に行われている映像制作プログラムだ。このプロジェクトは、Flagstaff Bordertown Dormitoryで生活している学生に対して提供されており、将来に難しい選択や課題に直面することになった時の心構えができるように、ディネ(ナバホ)とアメリカ先住民の知識と言語に基づいたポジティブで、健康的、社会的、教育的な環境を提供することで学生たちを力づけている。

「Tsiiyééł」は、Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K ProおよびURSA Mini Pro 4.6K G2デジタルフィルムカメラで撮影され、DaVinci Resolve Studioで編集とグレーディングが行われた。ポストプロダクションは、アリゾナ大学とKinlani Film Projectに参加する学生とのメンタリング・プログラムの一環として、同大学のSchool of Theatre, Film and Televisionの卒業生であるクリスチャン・ジャクソン氏が指揮を取り、学生たちとジャクソン氏はクラウドで共同作業を行った。

同作は雪の積もったフラッグスタッフで制作されたため、照明条件が予測できず、寒さの中で撮影しなければならなかった。Blackmagic Designのカメラは低照明条件での性能に優れており、Pocket Cinema Camera 6K ProにはNDフィルターが内蔵されているので、物語にマッチする映像を撮影することができた。また、Blackmagic Video Assist 7” 3Gモニター/レコーダーも3.5mのHDMIコードでカメラに取り付けて使用されたため、各ショットに各スタッフが参加できたという。

受賞歴のある映像作家であり、Kinlani Film Projectの創設者でもあるオークリー・アンダーソン・ムーア氏は、何年にも渡ってFlagstaff Bordertown Dormitoryの学生と関わってきている。

ムーア氏は、次のようにコメントしている。

ムーア氏:学生の創造性の高さには驚かされます。学生たちは、ビジョンは持っているにも関わらず、他の学校のような機材や機会が得られません。しかし、BlackmagicのカメラとDaVinci Resolveを使用し、『Tsiiyééł』という素晴らしい作品を制作するにいたったことをとても誇りに思います。

Blackmagic Design導入事例:アリゾナ州の高校生による受賞作「Tsiiyééł」の場合

アリゾナ大学School of Theatre, Film and Televisionの広報渉外部長であるケリン・ニーガス氏は、Flagstaff Bordertown Dormitoryと大学の協力関係を築く役割を担った。

ニーガス氏:当学部は次世代の映像作家を育成することに力を注いでいるので、学部の卒業生であるクリスチャンが編集スキルをKinlaniの学生たちと共有できたことは非常に喜ばしいことでした。

初めて「Tsiiyééł」を観た時に、特別な作品であると感じました。また、映画祭向けのキャンペーンの作成に携われたことを非常に光栄に思います。アメリカだけでなく、世界各地の人々から共感を受けているこの物語を作り上げた学生たちを誇らしく思います。

同作は、先日Hollywood Professional Association(以下:HPA)の「The Future of Visual Storytelling」にも使用された。Blackmagic Designの営業部長であるデビッド・ホフマン氏は、Kinlaniの学生たちとこのセッションの準備を行った。

ホフマン氏:本作は、毎年恒例のHPA Tech Retreatのプレゼンテーションの一つでした。AWSと提携し、次世代のビジュアル・ストーリーテラーが、最先端のクラウドベースのワークフローを使うことに対する感想を集めました。

Flagstaff Bordertown Dormitoryとアリゾナ大学の学生たちを5年後と10年後に業界に入る映像作家として選出しました。学生たちにはテクノロジーに関する情報をほとんど伝えなかったので、自分達でどのように使用方法を割り出すかを見ることができました。コンテンツの題材は、完全に学生たちによるオリジナルです。学生たちが新しいテクノロジーとワークフローにすばやく順応したことにも驚きましたが、完成した作品は学生たちの世界を反映した素晴らしいものとなりました。

「Tsiiyééł」は2023年初旬を通して様々な映画祭で放映されている。Kinlaniのスタッフは、脚本と監督を担当したオースティン・ジミー氏、シャニーク・ヤジィ氏、ヘイリー・べキス氏、脚本、出演、技術を担当したロビン・クロー氏、オライオン・ルセロ氏、ラドンナ・ジャケット氏、ゾーイ・ネズ氏、ロシェル・ハウィー氏、フェイス・ビゲイ氏、デビン・グッドマン氏、シャイラ・クラーク氏、レアンドレ・フランク氏。

Blackmagic Design導入事例:アリゾナ州の高校生による受賞作「Tsiiyééł」の場合