Blackmagic Designは、映像制作者、映画監督、プロデューサー、女優であるシドニー・スコシア氏の最新ドキュメンタリー、「This Hits Home」が、Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K G2デジタルフィルムカメラで撮影されたことを発表した。

「This Hits Home」は、ドメスティック・バイオレンス(DV)により恒久的な外傷性脳損傷を負う女性が、見えないところで静かに増えている状況を追う長編ドキュメンタリー。この作品は、勇気ある女性たちの私的で説得力のあるストーリーや、法律家およびDV当局の見解、そしてメイヨークリニック、ハーバード大学、ボストン大学、ペンシルバニア大学などの世界的に有名な専門家による衝撃的な事実を軸に、女性とその子供たちの人生を永遠に変えてしまう脳損傷の恐ろしさを描いている。

スコシア氏は、レオ・アワードにノミネートされ、ジョーイ・アワードを受賞した女優であり、「I Dare You」、「Dead End」、「Jane」(いずれも原題)などの作品で賞を受賞した映画監督であり、Scotia Entertainmentのオーナーであり、最近では、バンクーバー・インディペンデント映画祭で最優秀女性監督賞を受賞している。「This Hits Home」は、同氏の初ドキュメンタリー作品であり、ボストン映画祭で賞を受賞している。

この作品を作ったきっかけについて、スコシア氏は次のようにコメントしている。

スコシア氏:DVは、社会における静かな疫病のような存在であり、4人に1人の女性がDVの影響を受けています。個人的にDVの被害を受けていなくても、DVの被害を受けている人を知っているか、会ったことがあるはずです。

「This Hits Home」では、DV被害者が頭部への衝撃を繰り返し受けたことによって引き起こされる恒久的かつ進行性の脳損傷と、これらの外傷性脳損傷の結果生じる後遺症にフォーカスしています。また、DVサバイバーたちが向き合っている深刻な現実を浮き彫りにし、この複雑な精神力学について理解を深めてもらいたいと思っています。

同作は、ナショナル・フットボール・リーグ選手協会およびアメリカン・ブレイン・ファンデーションからも協力を得ている。撮影は、スコシア氏と、撮影監督のエリック・ロハス氏、A.J. ライタノ氏により、低予算で行われた。「This Hits Home」には、スコシア氏や数多くの被害者、医者たちのパワフルなストーリー、インタビュー、そして専門家の見解が含まれる。

Pocket Cinema Camera 6K G2をメインカメラとして使用し、インタビューやBロール、屋外シーン、そして車内のシーンを撮影した。深刻なテーマを扱っているため、スコシア氏はインタビューを受ける人が完全に安心してリラックスできるようにした。つまり、大掛かりな照明やリグが必要な大型カメラは選択になかった。

スコシア氏:この作品の75%はPocket Cameraで撮影しました。ボストン、ニューヨークシティ、コロラドスプリングスなどの都市でインタビューを撮影したので、北米全域でこのカメラを使用しました。

私たちはこれらの人々のストーリーを追い、普通の人たちが日中していることや、多くの感情的な場面や親密な瞬間を切り取りました。Pocket Cameraは簡単にセットアップでき、どこにでも持ち運べます。

ロハス氏:使い勝手の良さはもちろん、非常に小型なので、顔にカメラが向けられていることで気が散るようなことはありません。インタビューがとても感情的になることもあったのですが、そんな時に大型のリグで周りを歩き回って、相手を怯えさせたり集中力を削ぐようなことをしたくありませんでした。

Pocket Cameraは背景に溶けこんで、シドニー(スコシア監督)と相手の会話を邪魔することはありませんが、それでいて非常に高品質のイメージが得られます。私のようにポスプロでの作業を気にする撮影監督にとって、これは大きなメリットです。

同ドキュメンタリーのカラーコレクション、そして映画祭や配信サービス用の書き出しには、編集、グレーディング、VFX、オーディオプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioが使用された。

スコシア氏:このプロジェクトには、私たちの心と魂が込もっています。認知度を高めることで、DVサバイバー、医療従事者、救助者、賛同者、為政者そして社会全体に力を与え、地域社会からDVを根絶し、すべての人の脳の健康を守ることができるという確固たる信念に基づいて「This Hits Home」を作成しました。