マルミ光機株式会社は、C-P.L フィルター「C-P.L PLASMA SPUTTERING KIYOSHI TATSUNO LIMITED EDITION」を2023年7月28日に発売する。
同製品は、風景写真家の第一人者である辰野清氏が性能・デザインともに全面監修し、風景写真に特化したC-P.Lフィルター。高い性能を持つC-P.Lフィルターを目指し、プラズマ・スパッタリング成膜技術を採用。超低反射、カラーバランス、静電気放電特性、耐傷性など、光学性能・機能性の全てに最高のスペックを持たせたという。
光学特性だけなく、枠や化粧箱のデザインにおいても辰野氏のこだわりを随所に盛り込んでいる。枠色は金属の質感を残しながら、派手さを抑えた深いエンジ色を採用した。
ラインアップは67㎜、72㎜、77㎜、82㎜で、各サイズ数量限定。
開発の背景
ミラーレスカメラの普及に伴い、背面液晶やEVFを通して構図を決めシャッターを切る頻度が高くなった。
これまでC-P.Lは、一眼レフの光学ファインダーでも像が見やすいように、高透過偏光膜を採用しているが、ニュートラルなカラーバランスを得ることはなかなか難しく、カラーバランスは偏光膜の透過率とのトレードオフになりがちだったという。
マルミは、画質重視の原点に立ち返り、あえて高透過偏光膜にはこだわらず、これまでマルミが採用した中で最もカラーバランスの優れた偏光膜を選択した。
主な特長
反射率0.18%を達成
C-P.Lの常識を覆す超低反射率0.18%を達成。ゴーストフレアーを効果的に抑制し、逆光でお臆することなく使える。性低反射C-P.Lだけが持つ「澄み渡る世界」を堪能できる。
かつてないカラーバランス
光の3原色RGBのどちらにも偏りがない、ほぼ完全にニュートラルなカラーバランスを持つ。厳選した偏光膜と、超低反射コーティングの反射率特性によって、他のどのC-P.Lフィルターよりも忠実に色彩を再現できるC-P.Lフィルターを実現した。
優れたコーティング
水滴を強力にはじく両面撥水コーティングにより、水辺や雨天時での撮影でもストレスなく撮影が続けられる。両面防汚コーティングを採用したことで、指紋汚れがつきにくく、また付いてしまっても簡単に拭き取れる。
静電気を付帯しても、速やかに放電するコーティング特性を持ち、ほこりがつきにくく、付いてもブロアーなどで除去しやすい。
プラズマ・スパッタリング成膜技術の特徴
- 真空蒸着法に比べて、コーティング時に発生する輻射熱を最小限にできるため、C-P.Lフィルターに対する熱ダメージを抑制できる
- コーティング材料の粒子の運動エネルギーが、一般的な真空蒸着法に比べて10~100倍高いため、膜の密着性が高く、強度が高い
- 成膜プロセスが安定しており、膜質、膜厚を高精度に制御でき、再現性が高い
- 膜厚を均一にすることができるため、緻密な薄膜が得られる
偏光句は熱に弱いため、C-P.Lを低反射化するためには、多層膜コーティング過程で発生する高熱が課題だったという。マルミは高熱を発生させないプラズマ・スパッタリング技術を採用することで課題をクリアし、極めて高精度な多層膜の生成に成功した。