ソニーは、35mmフルサイズ対応α Eマウントレンズの新商品として、大口径広角ズームレンズのGマスター「FE 16-35mm F2.8 GM II」を2023年9月22日に発売する。希望小売価格はオープン。市場推定価格は税込350,000円前後。
ソニーフルサイズEマウントのGマスターシリーズは、2022年6月10日に「FE 24-70mm F2.8 GM II」、2021年11月26日に「FE 70-200mm F2.8 GM II」を発売。大三元の標準、望遠ズームレンズはII型にリニューアル済みだが、残りの広角ズームも16-35GM初代発売からが6年の時を経てリニューアルされる。
16-35GM初代機は優秀なレンズで、解像感、ボケ、AF、光学性能に関して高い支持を得ていたが、唯一、小型化、軽量化を実現してほしいという声が高かったという。II型では680gから約20%の小型、軽量化を達成し、約547gを実現している。
解像性能は初代機から「画面周辺部の解像度」「色集差の抑制」「ゴーストフレアの低減」「近接撮影性能」を改善。解像度は初代機でも優秀だが、II型では画面中心から、特に画面周辺部、解像度、コントラストが向上している。色収差は、初代機では若干わずかに紫のにじみがでることがあったが、II型では逆光シーンでも隅々まで高い画質を実現するという。
ゴースト・フレアは、初代機はナノARコーティングを採用していたが、II型では新開発の「ナノARコーティングII」によるさらに高い逆光耐性も備え、逆光を押さえたきれいな写真を撮ることを可能にしている。加えて、鏡胴内の反射も抑える設計で、抜けのよい描写を実現できるという。
初代機の近接性能性は0.28m、最大撮影倍率は0.19xを実現していたが、II型ではズーム全域で0.22m、最大撮影倍率0.32xを実現。例えば、被写体に寄って遠近感を強調する構図などにもフレキシブルに対応でき、表現の幅を広げられるという。
映像クリエイター向けの動画性能としては、ブリージングに抑制に対応。II型は最新の設計で、フォーカス時のブリージングやフォーカスシフトを抑制する。また、画角変動や揺れを最小限にし、滑らかな映像表現を可能にするという。アクティブモード、ダイナミックアクティブモードとの高い親和性を実現し、手ブレを抑えた安定した動画撮影を可能としている。
オートフォーカスの特性は、アクチュエーターに強力な「XDリニアモーター」を4機搭載。これにより、従来機からオートフォーカスの速度がおよそ2倍向上している。α1の組み合わせでは、最高30コマ毎秒の高速連射性能を引き出せるレンズとしている。
ワイドとテレのズームの繰り出しの幅の少なさも特徴としている。初代機では14mmの全長の変化があったが、II型では8mmに抑えられており、重心の変化を抑えている。ジンバル使用時に調整不要で撮影できるという。
最後に、FE 16-35mm F2.8 GM IIの目玉は小型、軽量化の実現だ。初代大三元3本の総重量は約3,046gに対して、II型3本の総重量は2,287g。759gの軽量化となり、ボディ1つ分に相当する。常に複数のレンズを持ち歩く動画ユーザー、静止画ユーザーには必見の新製品登場だ。
名称 | FE 16-35mm F2.8 GM II | FE 16-35mm F2.8 GM |
レンズ構成(群-枚 | 12群15枚 | 13群16枚 |
非球面レンズ | XA 3枚/Aspherical 1枚 | XA 2枚/Aspherical 3枚 |
EDガラス | Super ED 1枚/ED 2枚 | ED 2枚 |
最短撮影距離(W側-T側) | 0.22m | 0.28m |
最大撮影倍率(倍) | 0.32x | 0.19x |
アクチュエーター | XDリニアモーター | ダイレクトドライブSSM |
フォーカスシステム | インナーフォーカス フローティングフォーカス |
インナーフォーカス |
絞り羽根 | 11 | 11 |
レンズ内手ブレ補正 | 非搭載 | 非搭載 |
最小絞り値 | 22 | 22 |
レンズコーティング | ナノARコーティングII フッ素コーティング |
ナノARコーティング フッ素コーティング |
フィルター経 | 82mm | 82mm |
外形寸法 | Φ87.8✕111.5mm | Φ88.5✕121.6mm |
質量(約) | 547g | 680g |
防塵・防滴 | 配慮した設計 | 配慮した設計 |