ソニーは、実在感のある立体映像(3DCG)を裸眼で見られる、27型の空間再現ディスプレイ「ELF-SR2」の本体ファームウェアver.1.20.00をリリースした。同社Webサイトからダウンロードできる。
ELF-SR2は、実在感があり正確な3D立体映像表現を追求し、制作から展示まで様々な工程でクリエイターを支援するディスプレイだ。今回のファームウェアアップデートにより、より自然な視聴体験や高い表現力、解像感を支える技術を強化。また、ユーザーの様々な使用シーンに対応できるようカスタマイズ可能な設定を追加する。
また、Autodesk社の3D アニメーションとビジュアルエフェクトのソフトウェアMayaに対応したプラグインアプリケーション「空間再現ディスプレイ Plugin for Preview」も同時期にリリースした。Autodesk社のApp Storeからダウンロードが可能。4同プラグインアプリケーションは「ELF-SR1」「ELF-SR2」で使用できる。
「ELF-SR2」ファームウェアver.1.20.00 アップデート内容
追加機能
- 画像処理設定:画像処理を「画質優先」と「処理優先」から選択可能になった。「処理優先」にするとGPUの負荷を低減し、データ量の多いコンテンツでも滑らかに表示できる。
- 使用環境設定:使用環境に合わせて、視線認識のアルゴリズムを3つのモードから選択できるようになった
- クリエーションモード:本体正面の1名の視聴者を検出。検出範囲が広く、スタジオ、オフィスなどの作業環境に適している。
- 展示モード:本体正面の狭い範囲にいる1名の視聴者を検出。多くの人が行き交う展示会などでの使用に適している
- 視聴者切換モード:本体正面の最大2名の視聴者を同時に検出し、交互に視聴者を切り換えて立体映像を表示。視聴者の切換はSpatial Reality Display Setting App内から行うか、「ELF-SR2」本体のFnキーに設定を割り当てることも可能
- クロストーク※調整:視聴者に合わせてよりクロストークの少ない最適な画質に調整できる
※クロストーク:左目と右目の映像が混じって見えてしまう現象。二重像のように見えて解像感を劣化させる原因となる。
改善項目
- 視線検出の安定性向上:高速ビジョンセンサーによる視線認識に動き予測機能を追加。検出処理の改善により、オブジェクト表示の安定性が向上した。
- 暗所での安定性向上:特に暗い環境下で発生しやすい画面のちらつきを低減し、より安定した映像を楽しめる
- 超解像度処理の最適化:超解像度処理が最適化され、精彩感をより高める
プラグインアプリケーション「空間再現ディスプレイ Plugin for Preview」
プラグインアプリケーション「空間再現ディスプレイ Plugin for Preview」はデジタルコンテンツクリエーション(DCC)ツールを使用した3DCG制作の際、制作物を空間再現ディスプレイで立体表示することのできるプラグインアプリケーション。
Autodesk社の3D アニメーションとビジュアルエフェクトのソフトウェアMayaに対応し、シンプルな操作で様々な角度から裸眼で立体映像を見ることを可能にして、モデリング過程でのデータ確認、アニメーションのチェック、最終段階での3DCG構造の確認などに活用できる。