SDアソシエーション(以下、SDA)は、microSD Expressメモリーカードの記録速度を最大2GB/秒に倍増するとともに、マルチストリームアクセス機能と関連する電源および耐熱管理機能に加え、新しいSD9.1仕様ではシーケンシャル書込み性能を保証する新しいSD Expressスピードクラスの追加を発表した。
最新世代のmicroSD Expressは、最新のmicroSD Addendum バージョン8仕様に沿って、PCIe Gen 4×1レーンを利用することで、1,969MB/秒の速度を実現する。
SD7.1仕様では、985MB/秒の最大データ転送速度とNVMe上位レイヤプロトコルが採用された。
速度が向上したことで、製品設計者はストレージの選択肢が広がり、簡単な修理やアップグレード可能なストレージを必要とし、サイズに制約のある多様なデバイスにSSDレベルの性能を提供できるという。
SD Expressスピードクラスは、SD Expressパスを持つSDXC、SDUC、microSDUCメモリカードに限定適用される。
SD Expressは、2000年のSD規格誕生以来、最も重要な技術的進化であり、コントローラ、メモリ、アプリケーションやインターフェース性能要件をサポートし、進化する市場ニーズに対応している。
SD Expressは、より高速なリムーバブルまたはセミリムーバブルメモリカードを必要とする利用モデルをサポートすると共に、「修理する権利」に対応するのにも適している。
SDAプレジデントの坂本広幸氏は、次のようにコメントしている。
SD Expressメモリカードの最低保証シーケンシャル性能規格を定義することで、SDAは、デバイスメーカーとユーザーの両方が、あらゆる種類のコンテンツの最高画質の記録と再生を支援します。
SDAは、microSD Expressの速度を2GB/sに倍増することで製品メーカに、より多くのストレージオプションを提供すると共に要求の厳しい様々なストレージ用途で利用できるカードとして、また環境に優しいカードとしてデバイスの修理やアップグレードが容易になります。
新機能
様々な電力レベルや熱条件下でSD Expressスピードクラスの性能を最適化するために、NVMe仕様を導入し、最大電力(MP)値を通じて、複数の電力管理設定を規定した。
カードの温度管理のために、ホストデバイスが設定したMP値まで電力を消費した場合、特定の温度しきい値グループによる熱管理機能を提供する。
さらに、ホストデバイスは、対象のスピードクラスとPCIeパスモードに応じて、カードに適切な熱管理パラメーターを設定できる。
SD9.1仕様は、最大8つのマルチストリームアクセスを含むPCI/NVMeインターフェイス性能確保に必要なアクセスルールを定義しているという。
SDAでは、SD9.1で定義された新機能とSD Expressスピードクラスに関する詳細を記載したホワイトペーパーを用意している。