Apple、「Logic Pro」をアップデート。新しいMastering Assistant、32ビットレコーディング、MacのSample AlchemyとBeat Breakerなどに対応メイン写真

Appleは、MacとiPadで利用できる音楽制作ソフト「Logic Pro」をアップデートした。既存ユーザーは無料でアップデートが可能。新規ユーザーはMac App Storeを通じて30,000円で購入できる。MacでLogic Proを使用するには、macOS Ventura 13.5以降が必要。

MacとiPadに登場する新機能

Mastering Assistantは、リリース準備の整ったミックスにプロフェッショナルな最終の磨きを加えることができる。ミックスが完成すると、Mastering Assistantはオーディオを瞬時に分析し、ダイナミクス、周波数バランス、音色、ラウドネスといった要素を調整して、サウンドに専門的な改良を加えることが可能。

クリエイターは、Mastering Assistantの初期処理を出発点として、直感的なコントロールを使ってそれぞれの設定を微調整することもでき、車内でもクラブでも素晴らしく聴こえる音のミックスを実現可能としている。

Logic Proは、対応するオーディオインターフェイスと組み合わせて使用する場合、32ビットフロートレコーディングに対応する。これは、アーティストがよりダイナミックな楽器や演奏をレコーディングする際に起こりうるデジタルクリッピングを最小限に抑えるのに役立つという。32ビットフロートでは、より低レベルで録音されたものでもノイズフロアを上げずに簡単に増幅でき、スタジオ品質のオーディオとポストプロダクションにおける柔軟性を提供できるとしている。

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MacのためのLogic Proの新機能

今年前半にiPadのためのLogic Proに導入されたSample AlchemyとBeat Breakerが、MacのためのLogic Proでも利用できるようになる。Sample Alchemyでは、グラニュラー合成、加算合成、スペクトル合成などの様々なテクニックを使って、一つのオーディオサンプルを演奏可能な楽器に変換することが可能。アーティストは、ユニークなサウンドベッド、パッド、エフェクト、リズムを幅広く作成できるようになり、創造性の限界を押し広げることができるようになるという。

Beat Breakerのマルチエフェクトプラグインを使えば、クリエイターは、リアルタイムでオーディオを大胆に一新したりシャッフルし直したり、オーディオをスライスしたり、アレンジし直したり、スクラッチエフェクトを追加することが可能。それぞれのスライスのスピード、方向、ボリューム、リピート回数を変えることで、ミュージシャンは複雑なパターンを簡単に定義でき、その場で変更することができるという。

トラック領域の「ツール」メニューと時間ベースのエディターに「Slip」と「Rotate」のツールが加わり、ユーザーはリージョンの境界を変更せずに、オーディオおよびソフトウェア音源のリージョン内のコンテンツを移動できるようになった。

MacのためのLogic Proのアップデートは、2つの新しいサウンドパックを導入する。Hybrid Texturesサウンドパックには70パッチのコレクションとSample Alchemyをフィーチャーした80以上のApple Loopsが含まれ、Vox Melodicsサウンドパックには475以上のリリックフレーズ、フック、レイヤーハーモニー、FX、ワンショットの多様なコレクションが含まれている。ユーザーはサウンドライブラリを使用して、アプリのすべての無料サウンドパックをダウンロードできるという。

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iPadのためのLogic Proの新機能

Quick Samplerプラグインを使えば、ほぼすべてのサウンドからすばやくサンプル音源を作成できるという。新しいRecorderモードでは、内蔵マイクまたは接続されたオーディオ入力でオーディオを直接録音して、楽器の音やドラムキットを作成できるので、どこにいても音源を制作が可能。

クリエイターは、Split Viewやステージマネージャを使って、Logic Proとボイスメモやファイルアプリなどのほかのアプリの間をシームレスに行き来できるようになる。Split Viewでは、サイズ変更可能なビューに画面を分割して2つのアプリ、または同じアプリの2つのウインドウを開くことができ、ステージマネージャでは、ウインドウのサイズを変更したり、複数のウインドウを重ねて1つのビューとして表示したり、タップしてアプリ間を切り替えたりすることが可能。

ユーザーは指で上下にドラッグするだけで複数のサンプル、ループ、音源をプレビューし、ブラウザで最適なサウンドをすばやく見つけることができる。さらに、ユーザーはファイルアプリから独自のサンプルを選んでLogic Proにドラッグし、簡単にドラムキットを構築したりプロジェクトにステムを追加が可能。

Mastering Assistant、Sample Alchemy、Beat Breaker、ビート作成、オートメーション、サウンドパック、プレイサーフェスなど、幅広いトピックをカバーする追加のインストラクションが、Logic Proのアプリ内レッスンに加わる。Hybrid TexturesサウンドパックがiPadのためのLogic Proにも対応し、クリエイターにSample Alchemyのパワーと奥深さを探求する新たな素材を提供するという。

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