Blackmagic Design導入事例:ゲームフェス「DreamHack Winter 2023」の場合

Blackmagic Designによると、ゲームフェス「DreamHack Winter 2023」が、リモートプロダクションにBlackmagic Designのライブプロダクションワークフローを使用したという。

4万5千人が参加し、1日で1万7千人の参加者を記録したDreamHack Winter 2023は、eスポーツのるつぼであった。DreamHack Winter 2023は、単なるゲームフェスではなく、世界最高レベルのeスポーツ選手、200人以上のコンテンツクリエイター、数多くのエキスポパートナーたちが集うイマーシブ体験であるという。同フェスティバルでは、ESL Challenger、FIBA、R1、Formula 1、Brawl Starsなど、様々な競技が披露され、それぞれがこのeスポーツの祭典にユニークな趣を添えた。

DreamHackにおけるESL Challengerのステージは、意欲的なチームがそのスキルを披露する場を提供。ESL ChallengerがDreamHackに統合されたことで、参加者はeスポーツの競技心を垣間見ることができるという。

スウェーデンESL FACEIT Group(EFG)の放送テクノロジー責任者であるマーティン・ベリストローム氏は、次のようにコメントしている。

ベリストローム氏:Challengerは、意欲的なチームが、自分たちが世界クラスのアスリートであることを証明し、eスポーツ最大の舞台への出場権を得るチャンスなんです。

リモートプロダクションにSRTを採用

現地で雇ったのは2人のエンジニアと3人のカメラマンだけであり、この大会のリモートプロダクション設定の効率性が実証されている。

ベリストローム氏:私たちの目標は、出荷コスト、セットアップにかかる時間、現場の立ち合い時間を節約する無駄のないオペレーションを実現することでした。

これを念頭に、SRTプロトコルを使用したアプローチを構築し、ストックホルムのスタジオに信号を送り返し、ライブプロダクションに必要なすべての映像をそこからデリバーしました。

私たちが直面した最重要課題は、会場のプロダクションチームがこれらのフィードをモニタリングし、ビデオとオーディオの最適な伝送を確保するために、遅延を管理することでした。大会の会場がスタジオから近かったこと、SRTの使用を決めたことも、信号の遅延を減らすのに役立ちました。

EFGは数年に渡ってリモートプロダクションを手がけており、セットアップに関する専門知識には定評がある。

ベリストローム氏:世界各地の放送チームとコラボレーションの包括的な事前テストを行うなど、先を見越して継続的にアプローチを進化・改善することで、問題の発生リスクを減らしています。

Blackmagic Design導入事例:ゲームフェス「DreamHack Winter 2023」の場合

eスポーツプロダクションの根幹

DreamHackのプロダクションにおいて、Blackmagic Design製品は極めて重要な役割を担った。信号のインジェストからスイッチング、再生、そしてURSA Broadcast G2カメラを含むカメラオペレーションまで、Blackmagicのテクノロジーはあらゆる段階で不可欠であったという。

ベリストローム氏:数百台のSDI、光ファイバー、オーディオ用のコンバーターから、複数のATEM Constellation 8Kライブプロダクションスイッチャー、ビデオ信号を最大限に接続した大型のUniversal Videohub 288ルーターまで、ワークフローを通じてBlackmagic Design製品を多用しました。

同氏によると、EFGは、小規模なプロダクションと大規模なプロダクションの両方に対応できる多用途なスタジオスペースを必要としていたという。

ベリストローム氏:最小限のセットアップ作業で、複数のプロダクションルームを一体的に稼働させることに重点を置きました。DreamHackのような複雑なプロダクションを扱った数日後に、小規模なプロジェクトに戻ったりするので、スペースを作成するにあたり、柔軟性と信頼性が非常に重要でした。

ストックホルムのスタジオ設計の基本は、プロダクションルームとスタジオスペースのシームレスな統合を可能にするその比類ない柔軟性である。

ベリストローム氏:スタジオは、光ファイバーで相互接続されており、サーバールームで集中管理されています。このセットアップには、主な放送機器のほとんどが含まれており、必要に応じてプロダクションの性能をスケールアップしたり変更したりできます。この多用途性は様々な場面で非常に重宝しました。また、このセットアップでは、故障の際に機器がバックアップとしてすぐに機能するため、フェイルセーフにもなります。

Blackmagic Design導入事例:ゲームフェス「DreamHack Winter 2023」の場合

配信および放送

ESL Challengerの競技とDreamHackのその他のコンテンツは、主にTwitchで配信され、外部のメディアパートナーによって放送も行われた。このように広範囲で放送されたため、世界中のeスポーツファンたちは、どこにいてもDreamHackの興奮を味わうことができた。

Bitfocus Companionを使用したオートメーションは、イベントのプロダクションにおいて重要な役割を果たした。複数のグラフィックレイヤーとプログラム出力があるため、オートメーションはATEMスイッチャーのあらゆる面を完璧に組織化して、オペレーションを合理化しながらプロダクション品質を向上させた。

ベリストローム氏:私たちは、継続的に最新のテクノロジーを取り入れてスタジオをアップデートし、eスポーツと映像制作の未来のために、極めて多用途な環境を整えています。

常に先を見て、ネットワークインフラの向上にフォーカスを当てています。これは、より多くのIPベースの映像制作を促進し、2つの拠点間で低遅延でビデオおよびオーディオ信号を共有できるようにすることを目的としています。

Blackmagicは、低価格で高品質な制作を可能にする、極めて重要な業界のテクノロジープロバイダーとして際立っています。eスポーツの市場でも、その名前は広く認知されています。

Blackmagic Design導入事例:ゲームフェス「DreamHack Winter 2023」の場合