Blackmagic Design導入事例:YouTubeドラマ「おやじキャンプ飯」の場合

Blackmagic Designによると、Amazonプライム・オリジナルでも配信されているYouTubeドラマ「おやじキャンプ飯」のシーズン3滋賀編がBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proで撮影されたという。同作品ではBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proに加え、DaVinci Resolve Advanced PanelやVideo Assist 7′ 12Gが使用された。

YouTubeドラマ「おやじキャンプ飯」は、近藤芳正演ずる中華料理店元店主の坂本明夫がキャンプ場の片隅でソロキャンプ生活を続ける中、ときどき訪れる個性的なキャンパーたちとの交流や、キャンプで手軽に作れる中華料理がメインのキャンプドラマ。シーズン1京都編はAmazonプライム・ビデオでも公開されている。

同作の監督を務めている馬杉雅喜監督は制作のきっかけについて、次のようにコメントしている。

馬杉監督:2020年のコロナウィルス流行で仕事が無くなった時期がありました。何かしたいと思った時に、外出ができない中で、30分間の何も考えなくていい時間を提供できる作品を作ろうと思いました。

自然を感じられて美味しいご飯を食べてっていう、「ながら見」できるような、そんなに物語に食い入らなくてもいいようなドラマを作ろうというコンセプトで主役の近藤芳正さんや本当に僕が一緒に撮影したい人たちに声をかけて制作しました。

同作では撮影カメラとしてBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proが採用された。シーズン1、2ではBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kを使用したという。

撮影を担当した山内泰氏は、次のようにコメントしている。

山内氏:Pocket Cinema Cameraはちょっとアンバー系で凄く暖かいイメージがあるんですよね。フィルムのようなトーンが好きでキャンプの動画だったらPocket Cinema Cameraが合うんじゃないかなと思って使っています。

それと内部でBlackmagic RAWが撮れるっていうのもすごい利点ですね。撮影部3人で2カメ撮影もするので、グレーディングのことも考えてRAWで撮りたかったんです。

また、暗部での撮影時にも同カメラが役立ったという。RAWのビットレート比率を昼間は8:1にし、夜の暗部が多い時は5:1にして撮影するなど、ポストプロダクションでの効率を考慮して撮影を行った。

山内氏:Pocket Cinema CameraはNDフィルターが内蔵されているし、デュアル感度なのでナイトシーンでも助かってるんです。

そして最新のシーズン3では前回の和歌山編に続き、カラリストの森本直也氏がDaVinci Resolve StudioおよびDaVinci Resolve Advanced Panelを使用してカラーグレーディングを担当した。

馬杉氏:以前からお互いのことは知っていて前回のシーズン2の舞台が和歌山だったので、和歌山出身の森本さんしかいないと思い、グレーディングをお願いしました。

カラーについてこだわった点として、焚き火とランタンの光を感じるような温かい映像に仕上げることを重視したという。はじめに、森本氏がグレーディングして、それに対して山内氏と照明の合田崇氏が色味をリクエストするようなワークフローで作業を進めた。

山内氏:やはりProResでもRAWでも撮れるというのが素晴らしいですね。個人撮影で限界までこだわるというのならこのカメラだと思います。

カメラの使い方とカラーグレーディングの知識さえあれば、2~3人での撮影でも「おやじキャンプ飯」のような作品を撮れると思います。