Blackmagic Design導入事例:ヘルムート・ラング「2024年プレフォール・ キャンペーン」の場合

Blackmagic Designによると、フォトグラファー兼ディレクターであるフィリップ・パウルス(@philipppaulus)氏が、高級アパレルブランド、ヘルムート・ラングの2024年プレフォール・キャンペーン、モーション・ルックブック、ファッションショーの制作に、新しいBlackmagic Cinema Camera 6KデジタルフィルムカメラなどのBlackmagic Design製品を使用したという。

パウルス氏は、次のようにコメントしている。

パウルス氏:オープンゲートで撮影できる可能性があるフルフレームカメラのことを聞いて、とても興奮しました。

私は、Super 16のワイドフォーマットよりも、より四角に近くて美しい写真のような4:3フォーマットの方が好きなんです。広角レンズを使用してフルフレームセンサーで4:3フォーマットを撮影できれば、映像で実現したいと考えていた写真のようなフォーマットを実現できます。これはまさに私が待ち望んでいたカメラでした。

通常、ルックブックには約40の写真が含まれるが、2024年のスプリングシーズンとその初めてのキャンペーンで、ヘルムート・ラングが希望したのは、主人公同士のやりとりを撮影した、15秒ほどのビデオクリップ54本で構成されるモーション・ルックブックであった。

Blackmagic Design導入事例:ヘルムート・ラング「2024年プレフォール・ キャンペーン」の場合
パウルス氏:また、すべてのルックを盛り込んだ10分間のヒーロー動画も作成しました。

ヘルムート・ラングは、キャンペーンや広告に対して、非常に前衛的なアプローチを取っています。ヘルムート・ラングはモーション・フィルムによるキャンペーンの重要性をいち早く認識したブランドのひとつであり、プロジェクトを常に少しずつ拡張して、新しいことを取り入れようとしています。

パウルス氏によると、2日間で54のルックを作成する必要があったため、可動性とスピード、そして低照明条件でも撮影できる性能が同プロジェクトの課題であったという。

パウルス氏:このプロジェクトでは、ラン&ガンあるいはドキュメンタリースタイルのアプローチを採用しました。複数のロケーションで撮影したのですが、日が出ている時間が短い上に、多くのルックを撮影する必要があったので、三脚をセットアップするだけの作業でも時間がかかりすぎると感じていました。

Blackmagic Cinema Camera 6Kのジャイロスタビライザーは本当に優れており、頼りっぱなしでしたね。ほとんどのシーンはLeica Elmarit Rの50mmと90mmレンズを使用してハンドヘルドで撮影していますが、歩きながら撮影したシーンでも非常に滑らかです。

Blackmagic Design導入事例:ヘルムート・ラング「2024年プレフォール・ キャンペーン」の場合

パウルス氏:また、ニューヨークシティの様々な場所でBロールの撮影を行ったのですが、高層ビルの展望台から長い大通りのショットを撮ることにしました。展望台にはフルにリグ組みしたカメラや三脚を持って行けなかったので、Cinema Camera 6Kと180mmレンズだけ持っていき、ハンドヘルドで大通りのティルトアップを撮影しました。このカメラは非常にコンパクトな上、ジャイロスタビライザーや必要な機能がすべて内蔵されているので、これが可能でした。

Pocket Cinema Cameraシリーズの低照明条件における性能は、非常に優れたものでしたが、Cinema Camera 6Kはさらに次のレベルに到達しています。Blackmagic RAWで、問題なくISO 1600で撮影できました。Resolveで少しノイズ除去をかけるだけで満足のいく高品質なイメージを得られました。

パウルス氏は、DaVinci Resolve Studio、DaVinci Resolve Speed Editorキーボード、そしてDaVinci Resolve Micro Panelを使用して54本のクリップの編集とカラーグレーディングも行ったが、その締め切りも厳しいものであったという。また、DaVinci Resolve StudioのFusionページで、美容補正や、フレーム内の不要なオブジェクト(道のゴミなど)の削除などといったVFXの作業も行った。

パウルス氏:このプロジェクトでは、非常に短期間で、54本のクリップをすべて異なる方法でグレーディングと編集する必要があったので、Micro PanelとSpeed Editorを非常に重宝しました。ポスプロでResolve以外の選択肢は考えられませんね。

元々は、Resolvedでグレーディングだけ行って、編集は他のソフトを使っていたのですが、ワークフローが非常に複雑でした。Resolveに切り替えて、編集、グレーディング、VFX、サウンドの全てを単一のソフトで行えるようになった時は、ワークフローの効率性に驚きました。そしてさらにMicro PanelとSpeed Editorを追加した時の効率性は言うまでもありません。

クライアントからますます動画を求められるようになっており、以前はブランド側はフォトグラファーだけを起用していたのに対し、現在はビデオグラファーを起用するようになっています。

Blackmagicのカメラとワークフローは、撮影およびポスプロにおいてこれらの現代的なニーズに沿っており、私のようなフォトグラファー/ビデオグラファーが可能性を広げる助けとなっています。

Blackmagic Design導入事例:ヘルムート・ラング「2024年プレフォール・ キャンペーン」の場合