Blackmagic Design導入事例:フォトグラファー「フィリップ・ パウルス氏」の場合

Blackmagic Designによると、フォトグラファー兼ディレクターのフィリップ・パウルス氏が最新ファッションの撮影にBlackmagic Design製品を使用したという。

パウルス氏は、次のようにコメントしている。

パウルス氏:潜在顧客にスクロールを止めさせるのは"動き"です。

DSLRを使った映像制作とInstagramが偶然同じ時期に広まってから、フォトグラファーたちは映像で様々な試みを行っています。最初のうちはスローペースでしたが、2024年現在、スチル写真だけでキャンペーンを行っているファッションブランドはもうありません。多くのキャンペーンが、映像をメインに使用して写真で補足しています。

考えてみれば、これはファッション業界としては当然のことです。人々は、動きのあるファッション・コレクションを見て、その服を着た時のことを想像したいのです。

パウルス氏は、3人のフォトグラファーたちのアシスタントを10年間務めた後、2022年に自身のポートフォリオを作成。現在では、ヘルムート・ラング、Peter Do、Banana Republic、Bergdorf Goodman、カルティエなどの高級ファッションおよびジュエリーブランドを顧客として抱えている。

パウルス氏:私のバックグラウンドは写真です。しかしポートフォリオを作る際に、クライアントからは映像がより求められていることに気づいたんです。

当時Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kを手にしたのは、大掛かりなカメラに怖気付くことなく映像に踏み出すための私なりの方法でした。それ以来、ずっとBlackmagicカメラを使い続けています。

Pocket Cinema Camera 4Kに加え、パウルス氏の現在のワークフローには、Blackmagic Cinema Camera 6KおよびBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proデジタルフィルムカメラが加わり、さらに同氏は編集、カラーグレーディング、VFX、オーディオポストプロダクションに、DaVinci Resolve StudioとDaVinci Resolve Micro PanelおよびDaVinci Resolve Speed Editorを使用している。

Blackmagic Design導入事例:フォトグラファー「フィリップ・ パウルス氏」の場合

写真と映像の融合

パウルス氏:Blackmagic Designは、現在ファッション業界が直面している写真と映像の継続的な融合に有益な、独自のセットアップに対応しています。

例えば、クライアントはフォトグラファーの代わりにビデオグラファーを起用する必要がありますが、グレーディングの前に編集を行う必要があることをわかっていません。彼らは受け取った最初のドラフトでルックを確認したいと思っており、その状況はよく理解できます。私は最初から最後まで、オールインワンのプログラムで効率的に作業できるResolveを使用しているので、クライアントのニーズに応えることができます。

今ではポスプロのすべての処理にResolveを使っていますが、以前は他のシステムも使用してグレーディングだけResolveで行っていました。いたずらにワークフローが複雑になりますが、業界ではよくあるパターンです。Resolveに切り替えて、編集、グレーディング、VFX、サウンドの全てを単一のソフトで行えるようになった時は、ワークフローの効率性に驚きましたね。

パウルス氏によると、Blackmagic Designのカメラについても同じことが言えるという。

パウルス氏:Pocket Cinema CameraシリーズとBlackmagic Cinema Camera 6Kは、写真カメラのように扱うことができるという点において非常に独特です。手にとってすぐに撮影でき、必要な機能がすべて搭載されているので美しいイメージを得られます。

パウルス氏は、キャリアを開始したばかりの数年前にPocket Cinema Camera 4Kを購入したが、その後は大規模な仕事を引き受けるようになり、より大型で高価なカメラをレンタルするようになった。そうしなければならないと思い込んでいたのだという。

パウルス氏:他のカメラを使っていた時は、見過ごせない技術的な問題にぶつかることがありました。

その点、Pocket Cinema Camera 4Kは、スピーディで効率的です。他のカメラでは大規模なチームを組む必要があり、作業がスローダウンしていました。端的に言うと、大型のカメラでは素晴らしいイメージを得られますが、カメラの準備ができていないことが理由で撮影の機会を逃してしまうこともあります。

Pocket Cinema Camera 4Kでは優れたレンズを使ってグレーディングすることで美しいイメージが得られ、大型のカメラで撮った映像とほとんど見分けがつきません。

数年間のこれらの経験を経て、ハードウェアとソフトウェア・ワークフローの両方で完全にBlackmagic Designにコミットすることが理にかなっているという結論に達しました。ファッションや広告業界では大きな変革が起きており、Blackmagic Designはこれらのニーズに対応しています。

面白いことに、私が最近手がけたヘルムート・ラングのプロジェクトは、Blackmagic Designワークフローを使用してライブスイッチングされ、YouTubeに配信されました。

Blackmagic Design導入事例:フォトグラファー「フィリップ・ パウルス氏」の場合

ストリートからランウェイへ

ヘルムート・ラングの2024年プレフォール・キャンペーンで、パウルス氏は一般的なファッションショーの撮影を担当することになったが、彼はその可能性を広げ、ストリートからランウェイに繋がるファッション・キャンペーンのフィルムを制作した。

パウルス氏:ヘルムート・ラングは、キャンペーンや広告に対して、非常に前衛的なアプローチを取っており、モーション・フィルムによるキャンペーンの重要性をいち早く認識したブランドのひとつです。

単にファッションショーをライブイベントとして撮影するのではなく、ショーの主人公、つまりオープニングを担当するモデルを、ショーの数時間前に撮影しました。

Pocket Cinema Camera 4KおよびPocket Cinema Camera 6K Proを使い、Blackmagic RAWで撮影し、ポストプロダクションにはDaVinci Resolve StudioとDaVinci Resolve Speed Editorが使用された。パウルス氏によると、追加シーンの撮影と編集はショー開始のギリギリに行われたという。

パウルス氏:あるシーンは衣装が間に合わなかったので、ショーの前日まで撮影を待たなければなりませんでした。また、ローワー・イースト・サイドを歩いていたモデルが会場に入り、ショーが行われるバックステージに進むというトランジション・シーンがありました。

実際のショーと結びつけるためにこのシーンを作成したかったのですが、ショーの当日にならないとその場所とメイクルームを使うことができなかったので、観客の前で映像を流す1時間前に撮影して編集を行いました。

Pocket Cinema Camera 4Kや6K Proといった小型のカメラを使うことで、無事に撮影することができました。編集時間が10分しかなかったので、能率的なDaVinci Resolveワークフローに本当に助けられましたね。編集、ミキシング、グレーディング、そしてデリバーを一瞬で行うことができました。そしてクライアントから修正が入ったとしても、アプリ間の読み込み/書き出しに貴重な時間を割かずにすみます。

同映像はモデルがランウェイに入る瞬間までスクリーンに表示され、ランウェイに現れた瞬間にファッションショーがスタート。ショーはニューヨークシティに拠点を置く制作会社、Essay Videoによりライブ配信された。このファッションショーは、ヘルムート・ラングのWebサイト、YouTubeチャンネル、Instagramにライブ配信された。同配信には、Blackmagic Designカメラ、ATEM 4 M/E Constellation HDおよびATEM 4 M/E Broadcast Studio 4Kライブプロダクションスイッチャー、ATEM 1 M/E Advanced Panel 10、Blackmagic Videohub 20×20 12Gルーター、そしてATEM Talkback Converter 4Kが使用された。

パウルス氏:単なるフォトグラファーから、ディレクター、映像制作者、ビデオグラファーに転身した際、Blackmagic Designカメラを選択したことが、私の仕事を根本的に変えたと思います。

あれから数年が経ち、今では6K ProとCinema Camera 6Kだけでなく、DaVinci Resolveのエンド・トゥ・エンドのワークフローを使用し、ライブプロダクションでもBlackmagic製品を使用しています。今後この業界がどのように進化するにせよ、Blackmagic Designはそれに対応したサポートを提供してくれるでしょう。

Blackmagic Design導入事例:フォトグラファー「フィリップ・ パウルス氏」の場合