ニコンは、フラッグシップモデルのフルサイズ/FXフォーマットミラーレスカメラ「ニコン Z 9」のファームウェアVer.5.00を公開した。
「Z 9」発売以降4度目の大型アップデートとなるファームウェアVer.5.00では「オートキャプチャー」と「ハイスピードフレームキャプチャー+」の機能拡充により、スポーツ撮影における使い勝手を向上させた。
また、肌のディテールを階調豊かに描写する「リッチトーンポートレート」をはじめ、「美肌効果」、「人物印象調整」など、思い通りの画づくりをサポートするポートレート撮影機能を強化。さらに、プロフェッショナルの声に応えたスピードアップや効率化につながる操作性向上を実現させたという。
「Z 9」用ファームウェア Ver.5.00の主な特長
1. スポーツ撮影での使い勝手を向上する機能拡充
「オートキャプチャー」に撮影開始日時を事前指定できる予約機能を追加。カメラを設置してから実際の撮影まで時間が空く場合でも、バッテリー消費を軽減し効率的な撮影が可能になる。そのほかDXフォーマットでの撮影や、被写体検出対象に「飛行機」の追加、撮影待機中の画面上への黄色枠表示の追加などにより、「オートキャプチャー」での撮影の自由度を高め、表現の幅を広げたという。
また、「ハイスピードフレームキャプチャー+」に低速の「C15」を加え、連続撮影の使い勝手を向上。「高周波フリッカー低減」には、一般的なLED照明やアドボードに使用される周波数のプリセットを追加したことで、シャッタースピードの選択が容易になり、効率よく高周波フリッカーを低減できるという。
2. より思い通りのポートレートを可能にする機能の追加
ピクチャーコントロールに、ウェディングや写真スタジオなどの、レタッチを前提とした撮影シーンでのベースの画づくりに適した「リッチトーンポートレート」を追加。さらに、「人物印象調整」や「美肌効果」などのポートレートに適した多彩な機能も取り入れた。「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」(2020年12月発売)、「NIKKOR Z 85mm f/1.2 S」(2023年3月発売)、「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」(2023年10月発売)をはじめとしたNIKKOR Z レンズとの組み合わせにより、思い通りのポートレート撮影をサポート。
また、Profoto社製スピードライト「Profoto A10」の白色LEDがAF補助光として使用可能なほか、拡大再生におけるコマ送り操作時の動作として「ピント位置優先(顔検出)」を追加し、一段と利便性を向上させた。
3. 操作性の向上、その他の特長
プロフェッショナルのニーズに応えたスピードアップと効率化につながる様々な操作性向上を実現している。
- 「撮影メニューの拡張」がオンのとき、これまで連動していた静止画、動画の撮影モードを、別々に管理可能
- フォーカスポイント枠の線の太さ調整による見やすさ向上
- マニュアルフォーカス時、ライブビューの絞りが開放状態でのピント合わせが可能
- マニュアルフォーカス時、シャッターボタン半押しで拡大表示の解除ができる機能を追加
- 「ハイレゾズーム」の操作性、合焦時のAF枠表示色を赤色から緑色に変更
- カスタムボタンに割り当てられる機能、操作ボタンのさらなる拡充
- 「画像編集のカスタマイズ」により、画像編集メニューに表示する機能を選択可能
- 連続撮影に「ループ再生」、「再生開始までの待機時間」、「自動連続再生の速度」の設定を追加
- 「iメニュー」からすべての動画の再生速度を事前に設定可能(等倍再生、1/2再生、1/4再生)
- アプリ「SnapBridge」との接続方法に、スマートフォンのWi-Fi接続を占有しない「ステーションモード」を追加
- カメラにリモートグリップ「MC-N10」(2022年12月発売)を接続した状態で、同時にATOMOS社の「AirGlu」アクセサリー「UltraSync BLUE」にBluetoothで無線接続可能