Blackmagic Designによると、最新の3Dキャプチャー技術で現実世界のデジタルツインを作り出すプロダクションスタジオ「Global Objects」が、バーチャル・プロダクション・ワークフローにBlackmagic URSA Mini Pro 12Kデジタルフィルムカメラを使用しているという。Global Objectsは、最近のFOX Nationのドキュメンタリー「Liberty or Death: Boston Tea Party(原題)」で同カメラの12K解像度を存分に活かし、極めて詳細で高画質のイメージを撮影した。
Global ObjextsのCEO、ジェス・ローレン氏は、次のようにコメントしている。
ローレン氏:FOXの役員からGlobal Objectsに連絡があり、あるプロジェクトに生じる距離の問題を、バーチャル・プロダクションで解決できるかどうか尋ねられました。
そのタスクとは、ロブ・ロウをロサンゼルスにいさせたまま、魅力的で歴史的に重要なミスティック・シーポートに映し出すことでした。
世界最高峰のバーチャル・プロダクション能力を示すため、Global ObjectsチームはStephen David Entertainmentと連携してコネチカット州のミスティック・シーポートを訪れ、詳細なイメージ撮影およびLiDARスキャンを行った。その中には、URSA Mini Pro 12Kで撮影した12Kプレート映像も含まれる。
ローレン氏:URSA Mini Pro 12Kが軸でした。Ultra HD解像度でプレートを12Kで撮影できただけでなく、映像のリフレーミングや調整をディテールを損なうことなく現場で行えました。
今回のような高精度・高画質が重要なプロジェクトにおいて、この機能の価値は計り知れません。
撮影現場におけるこの柔軟性は、ポストプロダクションでも発揮された。
ローレン氏:12K解像度でプレートを通常よりワイドに撮影できました。映像の特定の部分をパンチインしても、鮮明で高画質なディテールが維持されるので、ポストプロダクションの選択肢が増えました。
この柔軟性は、最終的な出力を私たちのクリエイティブなビジョンに合わせて微調整する上で極めて有益でした。
高解像度とリフレーミングの柔軟性のおかげで、最終的なバーチャル環境は驚くほど美しく、豊富なディテールを含む映像となりました。これにより、没入感が全体的に向上して、バーチャル環境がよりリアルに、視聴者を引きつけて離さないものになりました。
ミスティック・シーポートのデジタル復元に加えて、Global Objectsはロサンゼルスでの撮影中のワークフロー全体の管理も依頼された。
ローレン氏:全体を通して私たちのタスクは2つありました。1つは、ミスティック・シーポートの独特で歴史的な景観のディテールをデジタルツイン形式で余すことなく正確に復元すること。もう1つは、ロブ・ロウとの撮影中にプロダクションおよびバーチャル・プロダクションのワークフロー全体を管理することでした。その中には、LEDウォールで撮影するためにUnreal Engineで3Dレベルを作成し、スキャンしたコンテンツを実装する作業も含まれました。
ロサンゼルスのライブプロダクションでは、Global ObjectsはATEM SDI Pro ISOライブプロダクションスイッチャーを使用した。同製品がマルチカム撮影のライブカット管理において重要な役割を果たし、スムーズで効率的なワークフローが実現した。
舞台裏映像の撮影にはBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kデジタルフィルムカメラが、宣伝用映像の編集とカラーグレーディングにはDaVinci Resolve Studioが使用された。
ローレン氏:撮影現場では、収録とモニタリングにATEMスイッチャーが不可欠でした。また、ATEMスイッチャーのおかげで編集チームにすばやくプロキシを提供でき、プロダクションの工程が大幅に能率化されました。
ロブ・ロウのようなスターと仕事をするのは楽しく、常にハイライトであると言えます。これがロブ・ロウにとって初めてのバーチャル・プロダクションであったことも、この仕事が特に楽しく、思い出深くなった要因でした。
映画界の偉大で経験豊かな人物を、バーチャル・プロダクションの革新的な世界に融合させることは、我々にとってハイライトであり、誇り高い瞬間でもありました。従来の映画制作に革命を起こす、バーチャル・プロダクションのインパクトと可能性が示されたと思います。その最前線にいられたことは貴重な体験でした。